梨は果物の目標量の中で量を決めると、血糖値を気にせず食べられます。
重さのほとんどは水分で、血糖値に関わる糖は一部です。
食物繊維にも、血糖値の急な上昇を抑える働きがあるといわれています。
ここからは、梨が血糖値に与える影響と、日々の取り入れ方を取り上げます。
- 梨の重さの9割近くは水分
- 皮と芯を除いた重さで量を決める
- 避けるのではなく量を決める食べ方が現実的
- 缶詰は生の半分以下の重さで同じ糖になるため過剰摂取に注意
- 西洋なしは糖も繊維も日本なしを上回る
- 食べる分以外をしまって食べ過ぎを防ぐ
参照元:日本食品標準成分表 日本なし 生 | 文部科学省 食品成分データベース
梨の糖は水分で薄まり1日200gの中に収まる

日本なしでは、生の可食部100gあたりの内訳が次のとおりです。

| 項目 | 量 |
|---|---|
| 水分 | 88.0g |
| 血糖値に関わる糖 | 8.3g |
| 食物繊維 | 0.9g |
| 糖アルコール | 1.5g |
| 炭水化物の総量 | 11.3g |
炭水化物の総量には食物繊維と糖アルコールも含まれ、量り方の違いから引き算の値と少し差が出ます。
糖アルコールは体にほとんど吸収されず、血糖値に関わる糖は8.3gです。
食物繊維は量こそ少ないものの、血糖値の急な上昇を抑える働きがあるといわれています。
果物の目標量は200gで、日本なしでは皮と芯を除いた分が食べる量にあたります。
実際にどれだけ食べているかは、次のとおりです。
| どれだけ食べているか | 人の割合 |
|---|---|
| 1日100g未満 | 63.4% |
| 1日200g未満 | 83.8% |
| 全く食べない | 40.1% |
成人の平均は約93gで、目標量の半分ほどに留まります。
水分の多さと糖の少なさから、目標量の中で量を決める限り糖分の取りすぎを避けられます。
参照元:日本食品標準成分表 日本なし 生 | 文部科学省 食品成分データベース 参照元:食物繊維の必要性と健康 | 厚生労働省e-ヘルスネット 参照元:果物1日200gのすすめ | 厚生労働省e-ヘルスネット
朝食と間食のどちらへ梨を入れるかという選び方

梨は、朝食と間食のどちらで取り入れても構いません。
朝食へ添える場合は、ごはんやパンの量をそのままにして足すと良いでしょう。
間食で取り入れるときは、普段食べている菓子や甘い飲みものと入れ替えます。
どちらに配分しても、その日の果物の合計は200gの中です。
果物の摂取が多い人ほど、循環器疾患の発症や死亡のリスクは低くなります。
目標量までの摂取では、脳卒中や冠動脈疾患による死亡のリスクが下がります。
摂取不足は、食塩の過剰摂取や全粒穀類の不足に次ぐ食事関連のリスク因子です。
目標量を何回に分けるかで、1回分の量と糖分が変わります。
| 分ける回数 | 1回分 | 入る糖分 |
|---|---|---|
| 2回 | 100g | 約8.3g |
| 3回 | 約70g | 約5.8g |
参照元:果物1日200gのすすめ | 厚生労働省e-ヘルスネット
朝と夜のどちらで食べるかより1回の量が血糖値にとってより重要な要素

梨を食べる時間帯より先に決めたいのは、1回に食べる量です。
咀嚼回数や食事時間も、糖質の吸収の早さに関わります。
ただしこれらが変えるのは吸収の早さで、取り入れる糖分の量は食べた量しだいです。
食べる量と1日の合計は、朝でも夜でも同じように影響します。
朝食へ添えると、食べ忘れを防ぐ利点もあります。
夕食後に食べた日は、就寝までの時間が短くなる点に気をつけてください。
参照元:グリセミックインデックスとその活用 | 日本糖尿病学会誌
日本なしと西洋なしで100gあたりに入る糖分の量

糖アルコールは体に吸収される量が少ないため、血糖値に関わる糖と分けて考えます。
日本なしと西洋なしの値は、生と缶詰に分けると次のとおりです。
| 種類 | 利用可能炭水化物 | 食物繊維 | カリウム |
|---|---|---|---|
| 日本なし 生 | 8.3g | 0.9g | 140mg |
| 日本なし 缶詰 | 18.5g | 0.7g | 75mg |
| 西洋なし 生 | 9.2g | 1.9g | 140mg |
| 西洋なし 缶詰 | 16.7g | 1.0g | 55mg |
日本なしの缶詰だけが差引き法の値で、ほかは単糖当量という別の方法で求めています。
生の日本なしを目標量だけ食べた場合、糖分は16.6gに達します。
参照元:日本食品標準成分表 日本なし 缶詰 | 文部科学省 食品成分データベース
缶詰のシロップ漬けで変わる糖分とカリウム

缶詰の梨は生と比べて糖分が2倍を超え、一方でカリウムは下がります。

量を決めて食べる限り、果物を避ける必要がありません。
生と缶詰で変わる項目は、次のとおりです。
| 項目 | 生 | 缶詰 | 動き |
|---|---|---|---|
| 利用可能炭水化物 | 8.3g | 18.5g | 2.2倍へ増える |
| カリウム | 140mg | 75mg | 約半分へ減る |
| 食物繊維 | 0.9g | 0.7g | わずかに減る |
シロップ漬けの缶詰は糖質が多く含まれるため、摂取量を抑える必要があります。
糖尿病患者の場合は、生の梨の半分以下の重さが目安です。
缶詰を献立へ入れる日は、生の梨より少ない重さで同程度の糖分を含みます。
同じ糖分の量で揃えると、缶詰は生の半分以下の重さです。
容器の表示で炭水化物の量と内容量を確かめると、1回分を見積もれます。
参照元:果物1日200gのすすめ | 厚生労働省e-ヘルスネット
西洋梨を選んだ日に2倍以上へ増える食物繊維の量

西洋なしの食物繊維は、日本なしと比べて2倍を超える量が入ります。
食物繊維の目標量と実際の平均は、次のとおりです。
| 項目 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 食物繊維の目標量 | 1日20g以上 | 1日18g以上 |
| 20歳以上の平均 | 1日18.1g | 1日18.1g |
果物の食物繊維は腸の働きを助け、血糖値の急な上昇を抑えるともいわれています。
大規模な追跡では、野菜や果物の摂取量と糖尿病のリスクに明確な関連はみられませんでした。
ただし西洋なしは、利用可能炭水化物も日本なしより多い果物であり、全体の摂取量には配慮を要します。
食物繊維を目的に選んだ日も、量は同じ200gの中で計算します。
参照元:食物繊維の必要性と健康 | 厚生労働省e-ヘルスネット
間食で梨を取り入れるときは夕食後を避けて日中にする

間食として梨を取り入れる場合は、夕食後より日中のほうが適した時間です。
朝食と間食への配分の案は、次のとおりです。
| 置く場所 | 1回の量 | 何と入れ替えるか |
|---|---|---|
| 朝食へ添える | 約70g | 追加せず主食はそのまま |
| 日中の間食 | 約70g | 菓子や甘い飲みもの |
朝食と間食の両方を選んだ場合は合計が目標量の7割ほどに収まり、残りは他の果物に充てられます。
参照元:果物1日200gのすすめ | 厚生労働省e-ヘルスネット
切り分けた分だけ皿へ出すという献立の組み方

梨は、切り分けた分だけを皿へ出すと1回の量を制限内に抑えられます。
切らずに置いたまま食べ進めると摂取量が把握出来なくなるため、出す分を事前に決めます。
皿へ出す量ごとの目安は、次のとおりです。
| 皿へ出す量 | 1日200gに対して | 入る糖分 |
|---|---|---|
| 100g | 半分 | 約8.3g |
| 70g | 3分の1 | 約5.8g |
| 50g | 4分の1 | 約4.2g |
食べる量の上限は検査の値で変わるため、次の受診の際にお尋ねください。
参照元:日本食品標準成分表 日本なし 生 | 文部科学省 食品成分データベース 参照元:果物1日200gのすすめ | 厚生労働省e-ヘルスネット


