ピスタチオは可食部100gの利用可能炭水化物が8.2gで、種実類のなかでは平均的です。
一方でエネルギーは617kcalあり、食べた量に比例して増えます。
ピスタチオは避ける必要が無く、量と味付けを選んで取り入れられる食品です。
ここからは、ピスタチオが血糖値に与える影響と、量と味付けの選び方を取り上げます。
- 糖分は種実類で平均的でエネルギーが高い
- 選ぶ基準は糖分の多さではなく重さと味付け
- 間食の目安に収まるのは可食部32g
- 殻つきで買うと袋の重さに殻の分が入る
- GI値が分からないため食べる重さで決める
- 健診で血圧を指摘された場合は無塩か素焼き
- 種類を替えてもエネルギーは下がらない
参照元:日本食品標準成分表 ピスタチオ いり 味付け | 文部科学省 食品成分データベース
ピスタチオを食べると血糖値が上がるのかという問い

ピスタチオに入っている糖分は、種実類のなかで平均的な量に収まります。
血糖値に関わる要素ごとに生じがちな疑問の答えは、次のとおりです。
| 知りたい点 | 現在の答え |
|---|---|
| 糖分は多いか | 可食部100gで8.2g。種実類では平均的 |
| エネルギーは | 617kcalで種実類のなかでは高いほう |
| 1日にどれだけか | 間食の目安200kcalで可食部32g |
| 味付けと無塩の違い | 32gで食塩0.2gの差 |
| ピスタチオのGI値 | 分からないため重さで量を決める |
| 食べ方の軸 | 甘いものと置き換える |
糖分の少なさだけで量を増やすと、糖分よりも先にエネルギーが増えます。
ピスタチオを選ぶときに確認すべきなのは、糖分の量ではなく重さと味付けです。
参照元:日本食品標準成分表 ピスタチオ いり 味付け | 文部科学省 食品成分データベース
ピスタチオ100gで実際に体へ入る糖分の量

血糖値の話で目安となる利用可能炭水化物は、単糖当量で8.2gです。

ここに挙げた値は、いずれも可食部100gあたりで揃えてあります。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| エネルギー | 617kcal |
| 利用可能炭水化物 単糖当量 | 8.2g |
| 利用可能炭水化物 差引き法 | 13.1g |
| 炭水化物 | 20.9g |
| 食物繊維 | 9.2g |
| たんぱく質 | 17.4g |
| 脂質 | 56.1g |
利用可能炭水化物には単糖当量と差引き法という2つの算定方法があり、方法の違う値どうしは比べられません。
この利用可能炭水化物は、でん粉やぶどう糖など消化吸収される糖質の量です。
炭水化物の総量には食物繊維も入るため、吸収される糖分よりも大きく出ます。
ピスタチオは利用可能炭水化物より脂質とエネルギーが多く、量を増やすほど摂取エネルギーが増えます。
参照元:日本食品標準成分表 ピスタチオ いり 味付け | 文部科学省 食品成分データベース
617kcalという高さと間食の目安200kcal

間食の目安200kcalに相当するのは、可食部でおよそ32gです。

| 食べ方 | 重さ | エネルギー |
|---|---|---|
| 可食部で100g | 100g | 617kcal |
| 可食部で32g | 32g | 約200kcal |
| 殻つきで買った場合 | 約58g | 約200kcal |
| カステラ | 約50g | 約150kcal |
| シュークリーム | 約90g | 約200kcal |
| 32gの利用可能炭水化物 | 32g | 約2.6g |
| 32gの食物繊維 | 32g | 約2.9g |
この200kcalは健康な人も含めた間食の目安で、糖尿病の治療で決められた制限や毎日食べてよい量ではありません。
殻つきの製品では、袋に書かれた重さに殻の分が入っています。
廃棄率は標準的な値で、商品や殻の状態によって前後します。
参照元:お菓子や間食の取り入れ方 | 厚生労働省e-ヘルスネット
味付けの製品に一緒に入る食塩相当量という数字

味付けの製品を選ぶと、その分の食塩も一緒に取ります。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| ナトリウム 100gあたり | 270mg |
| 食塩相当量 100gあたり | 0.7g |
| 食塩相当量 32gあたり | 約0.2g |
| 食塩の目標量 男性 | 1日7.5g未満 |
| 食塩の目標量 女性 | 1日6.5g未満 |
| 20歳以上の平均 男性 | 1日10.7g |
| 20歳以上の平均 女性 | 1日9.1g |
| カリウム 100gあたり | 970mg |

無塩や素焼きの製品では、この分が加わりません。
実際の平均は目標量を上回っており、間食からの上乗せも積み重なります。
食塩を減らすのとあわせて、ナトリウムとカリウムの摂取比を下げる取り組みも大切とされています。
通院や健診で血圧の高さ、腎臓の働きの低下を指摘されている場合は、無塩か素焼きの製品が候補です。
アーモンドやくるみと比べたピスタチオの糖分

種実類のエネルギーはどれも高く、ピスタチオもそのなかで高いほうに入ります。

| 種類 | エネルギー | 利用可能炭水化物 | 食物繊維 | 食塩相当量 |
|---|---|---|---|---|
| ピスタチオ いり 味付け | 617kcal | 8.2g | 9.2g | 0.7g |
| アーモンド いり 無塩 | 608kcal | 5.9g | 11.0g | 0g |
| くるみ いり | 713kcal | 2.8g | 7.5g | 0g |
| カシューナッツ フライ 味付け | 591kcal | 18.6g | 6.7g | 0.6g |
| らっかせい 大粒種 いり | 613kcal | 10.8g | 11.4g | 0g |
利用可能炭水化物が最も少ないのはくるみで、最も多いのはカシューナッツです。
ただしこの並びだけで、食後の血糖値への影響の大小は決まりません。
くるみは糖分が最も少ない一方、エネルギーはこの表で最も高い値です。
種類を替えてもエネルギーはほとんど下がらないため、食べる量そのものを見直してみてください。
参照元:日本食品標準成分表 アーモンド いり 無塩 | 文部科学省 食品成分データベース
参照元:日本食品標準成分表 くるみ いり | 文部科学省 食品成分データベース
参照元:日本食品標準成分表 カシューナッツ フライ 味付け | 文部科学省 食品成分データベース
参照元:日本食品標準成分表 らっかせい 大粒種 いり | 文部科学省 食品成分データベース
脂質と食物繊維は糖分の吸収をどこまで抑えるか

ピスタチオには、目安になるGI値がありません。
| 成分 | 糖分の吸収への働き |
|---|---|
| 脂質 | グルコースの吸収を遅らせる |
| 食物繊維 | グルコースの吸収を抑える |
| たんぱく質とアミノ酸 | 多い食品のGI値は低い部類 |
| 低GIの目安 | 55以下 |
| 高GIの目安 | 70以上 |
ピスタチオには脂質と食物繊維、たんぱく質が同時に含まれます。
ただし糖分の吸収がどれだけ緩やかになるかは、食事全体の量や組み合わせ、調理の状態によって変わります。
成分の並びからは糖分の吸収が緩やかになると考えられる一方、ピスタチオを食べたときの値そのものはありません。
同じ食品でも、品種や含有栄養素、加工方法の違いでGI値は変わります。
食事全体のGI値とGLでみた糖尿病の発症のリスク

食事全体のGLが高い女性では、糖尿病の発症リスクが上がります。
| 調べた内容 | 結果 |
|---|---|
| 対象と追跡 | 男性27,769人と女性36,864人を平均約5年間 |
| 食事全体のGLが高い女性 | 発症リスクが1.52倍 |
| 95%信頼区間 | 1.13〜2.04 |
| 脂肪の摂取が多い男性 | 食事のGI値が高いとリスクが上昇する傾向 |
| 食事のGL | 炭水化物の質と量を同時に示す指標 |
この数字が指すのは食事全体で、ピスタチオだけを見て決まる値ではありません。
食事のGLは量が多いほど上がるため、間食を足すとその分だけ増えます。
糖分が平均的であるため、食事全体の量を置き換える理由にはなりません。
ピスタチオをどれだけ食べるかは、1日に取る糖分の総量の中で決めると良いでしょう。
参照元:食事のGIおよびGLと糖尿病発症のリスクとの関連について | 国立がん研究センター 多目的コホート研究
血糖値を確かめつつピスタチオを取り入れる手順

ピスタチオは、普段食べている甘いものと置き換えて取り入れるべき食品です。
| 場面 | 確かめる点 |
|---|---|
| 可食部で食べる | 100gで利用可能炭水化物8.2g |
| 間食に取り入れる | 200kcalの換算で可食部32g |
| 殻つきで買う | 殻を含む重さ約58gが可食部32g |
| 味付けを選ぶ | 32gで食塩が約0.2g上乗せ |
| 血圧も指摘されている | 無塩や素焼きの製品 |
| いつもの通院 | 食べている量と味付けを自分から伝える |
| 食物繊維の目標量 男性 | 1日20g以上 |
| 食物繊維の目標量 女性 | 1日18g以上 |
事前に食べる分を取り分けると、袋から直接つまむ食べ方を避けられます。
ピスタチオは、食事はそのままにして、普段食べているお菓子や甘い飲みものと置き換えましょう。
食物繊維の目標量に対して、この量が埋めるのは1割台に留まります。
血糖値の目標や適した間食の量は、検査値や治療の内容によって変わります。
食べる量を決める前に、検査結果を持参の上で医師や管理栄養士へご相談ください。


