糖尿病にトマトジュースが効く!効果と注意点をご紹介

糖尿病にトマトジュースが効く!効果と注意点をご紹介

糖尿病と診断され、食生活や健康管理に悩む方も多いでしょう。

健康的な食生活を目指す際、手軽に取り入れられるトマトジュースが注目されています。

この記事でわかること
  • トマトジュースの成分が糖尿病の症状緩和を助ける
  • 無糖や無塩タイプのトマトジュースを手に取る
  • 適量を守って飲む
  • 過度に依存しない

ぜひ、日々の健康管理に役立ててください。

目次

含まれる成分が糖尿病の症状を緩和する助けになる

トマトジュースは、糖尿病患者にとって多くの健康効果をもたらす可能性があります。

主な成分と期待できる効果は、次の通りです。

リコピン炎症を抑え、血糖値のコントロールを助ける
ビタミンC抗酸化作用があり、免疫力を高める
ビタミンE細胞のダメージを防ぎ、血糖値の管理に寄与する
カリウム血圧を正常に保つ
食物繊維血糖値の急激な上昇を抑える
フラボノイド抗酸化作用があり、インスリンの感受性を改善する
葉酸血液の健康を保ち、心血管疾患のリスクを減少させる

トマトジュースの摂取が継続的に行われると、上記の成分が相互に作用し、糖尿病の症状が緩和する効果があります。

ただし、個々の健康状態により効果は異なるため、医師や栄養士と相談が重要です。

無糖や無塩タイプのトマトジュースを選択する

トマトジュースを選ぶポイント。無糖や無塩を選択する

糖尿病に優しいトマトジュースを選ぶ際、成分表示をよく確認し、糖分や塩分などが少ない商品を選択しましょう。

糖尿病の管理には、血糖値のコントロールが不可欠です。

市販のトマトジュースには糖分や塩分が多く含まれているものがあり、血糖値を急激に上昇させる可能性があります。

したがって成分をよく確認して、自分の健康状態に合ったトマトジュースを選ぶ意識が大切です。

意識したいポイントは、主に3つあります。

  • 無添加かどうか
  • 糖分が少ないかどうか
  • 塩分が少ないかどうか

最初に、無添加のトマトジュースを選ぶのが大切です。

無添加とは、保存料や着色料などの人工的な添加物が含まれていないことを指します。

無添加のトマトジュースは、トマト本来の栄養素を摂取できます。

可能な限り、オーガニックのトマトジュースを選びましょう。

オーガニック製品は、農薬や化学肥料を使わずに栽培されたトマトを使用しているため、より最適な状態で摂取できます。

自宅でトマトを使って自家製のトマトジュースを作り、添加物や過剰な塩分を避け、より健康的に楽しむ方法もあるでしょう。

次に、糖分が少ないものを手に取ります。

糖尿病患者にとって、糖分の摂り過ぎは特に気を配らなければなりません。

市販のトマトジュースの中には、飲みやすくするために砂糖やフルーツジュースが添加されているタイプが多く出回っています。

成分表示をチェックし、糖分がなるべく少ない、または無糖のものを選びましょう。

最後に、塩分が少ないものを選ぶように意識します。

塩分は、血圧を上昇させる要因の一つです。

高血圧と糖尿病は密接に関連しているため、成分表示を確認し、無塩もしくは低塩のトマトジュースを選びましょう。

トマトジュースは1日200ml程度が適量

糖尿病の人がトマトジュースを飲む際には、適量を守る意識が重要です。

トマトジュースには血糖値の安定に役立つ成分が含まれていますが、飲み過ぎると逆効果になる場合があります。

過剰摂取はカロリーオーバーを引き起こし、糖尿病に悪影響を与えます。

そのため摂取量と飲むタイミングに注意し、バランスのよい食生活と組み合わせる姿勢が鍵といえるでしょう。

血糖値の急激な変動は、糖尿病患者の健康に悪影響を与えかねません。

具体的には、トマトジュースは1日200ml程度に留める姿勢が理想的です。

200mlはトマトに含まれるリコピンの1日の摂取目安に該当する量であり、糖分やカロリーの過剰摂取を避けられます。

あわせて、理想の摂取のタイミングは朝の食事の30分前です。

トマトジュースの食物繊維が消化をゆっくりと進め、食後の血糖値の急激な上昇を防ぐ助けとなります。

食前が難しい場合は、トマトジュースを食事と一緒に摂取すると満腹感を高め、過食を抑えられます。

トマトジュースを摂取する場合は、他の食品や飲み物とバランスよく組み合わせるとよいでしょう。

さらにトマトジュースだけに頼るのではなく、野菜やタンパク質、健康的な脂肪などを含む食事と共に摂取するのが効果的です。

消化吸収が遅く、血糖値をゆっくりと上げる低GI食品と一緒に摂取すると、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。

低GI食品の代表例は、以下の通りです。

穀物玄米、全粒粉パン、そば、大麦
豆腐大豆、レンズ豆、いんげん豆
野菜ブロッコリー、ほうれん草、キャベツ
果物りんご、グレープフルーツ、いちご

トマトジュースとサラダや全粒粉パン、グレープフルーツなどの健康的な食材を組み合わせると、血糖値のコントロールがさらにスムーズに行えるでしょう。

最後に、トマトジュースを冷蔵庫で保存し、毎日新鮮な状態にします。

長期間開封したままのジュースは酸化が進み、リコピンやビタミンCの効果が低下してしまう恐れがあります。

市販されている200ml程度の大きさのトマトジュースを1本飲みきる習慣を付けると、酸化を防ぎ、適量の摂取が可能です。

日々の小さな工夫の積み重ねが、健康的な生活につながります。

1日の食事全体のバランスを考慮し、トマトジュースの摂取を上手く取り入れましょう。

トマトジュースに過度に依存はしない

トマトジュースに依存しない。大量摂取はリスクがある

糖尿病患者がトマトジュースを過剰に摂取すると、思わぬ弊害が生じる可能性があります。

トマトジュースには果糖が含まれており、大量摂取は血糖値の変動を引き起こすリスクとなります。

さらに、市販のトマトジュースには添加糖が含まれている場合が少なくありません。

健康によいからと大量に飲むと、血糖値の急上昇につながる恐れがあります。

さらにトマトジュースのみに頼る食事方法では、他の重要な栄養素の摂取が不足する可能性があります。

ほかにもサプリメントを併用している方は、トマトジュースの成分と相互作用する恐れに注意をしましょう。

たとえば、特定のビタミンやミネラルがトマトジュースとサプリメントで過剰に摂取されると、体内での吸収が妨げられるリスクがあります。

摂取のタイミングを変更する、医療専門家に相談して服用するなど慎重な行動が求められます。

糖尿病管理には、バランスの取れた食事が不可欠です。

1日の食事全体のバランスを考慮し、トマトジュースの摂取が偏らないようにしましょう。

糖尿病の食事管理にトマトジュースを上手く取り入れよう

トマトジュースは、リコピンやビタミンCなどの成分が血糖値の安定化や抗酸化作用を促進し、糖尿病の症状緩和を助ける飲み物です。

トマトジュースに含まれるリコピンには、血糖値を低下させる効果があります。

さらにトマトジュースの食物繊維は、糖の吸収を穏やかにし、血糖値の急上昇の抑制が可能です。

上手く食事に取り入れると、食事後の血糖値の急激な変動を抑えられます。

ただし、トマトジュースの選び方には気を配りましょう。

市販されているトマトジュースの中には、塩分や砂糖が多く含まれているものもあります。

無塩や無糖タイプのトマトジュースを選択し、飲み過ぎないように気を付けてください。

朝食の30分前に飲むと、リコピンの吸収率が高まり、血糖値の上昇を抑制が期待できるでしょう。

そのうえでトマトジュースに頼りすぎず、バランスの取れた食事全体の一部として位置づける意識が重要です。

個々の状況に応じて主治医や栄養士などに相談し、適切な食事指導を受けるとより健康的な食生活が送れます。

トマトジュースを上手に取り入れ、糖尿病の症状管理に役立てましょう。

この記事の監修者

大学病院で糖尿病・内分泌内科の臨床医として経験を積み「リサーチマインドを持った診療」をモットーに日々研鑽を積んでまいりました。当院が少しでもあなた様のお役に立つことが出来れば幸いです。

■経歴
平成21年3月 金沢医科大学医学部医学科卒業
平成21年4月 杏林大学病院 初期臨床研修医
平成26年1月 金沢医科大学病院 糖尿病・内分泌内科学教室
平成30年4月 金沢医科大学病院 助教
平成30年9月 金沢医科大学大学院医学研究科 博士課程修了
令和3年1月 金沢医科大学病院学内講師
令和5年6月 Gran Clinic(石川県金沢市)院長

■所属学会
日本内科学会 認定医
日本糖尿病学会 専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本腎臓学会
日本内分泌学会

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