手の親指だけのしびれは糖尿病のサインなのかを解説!原因と対策も紹介

手の親指だけのしびれ。糖尿病のサインなのかを解説!

日常生活で、手の親指だけが痺れて困っている方も多いのではないでしょうか。

もしかしたら、それは重大な病気のサインかもしれません。

この記事では、親指のしびれと糖尿病の関係性について、わかりやすく解説していきます。

親指のしびれは、糖尿病の初期症状として現れるときがあります。

なぜ親指がしびれるのか、他にどのような症状があるのか、糖尿病と診断された場合の治療法を詳しくまとめました。

この記事を読むと、親指のしびれに対する不安が解消され、健康な生活を送るためのヒントが得られるはずです。

この記事でわかること
  • 親指のしびれは糖尿病性神経障害の可能性がある
  • ビタミンB12欠乏症や手根管症候群が原因のケースがある
  • 糖尿内科や神経内科を受診する
  • 糖尿病の治療法は薬物治療や生活習慣の見直し

親指のしびれに悩んでいる、糖尿病についてもっと知りたいと考えているなら、ぜひ最後まで読んでみてください。

あなたの健康を守るための一歩を、踏み出しましょう。

目次

手の親指だけしびれるのは糖尿病の初期症状の可能性がある

手の親指のしびれは、糖尿病の初期症状の一つである可能性があります。

糖尿病は、血糖値が高い状態が続く病気です。

高血糖状態が長く続くと、体の様々な器官に悪影響を及ぼします。

悪影響の一つが、神経へのダメージです。

糖尿病性神経障害と呼ばれる症状で、神経がダメージを受けると感覚が鈍くなり、しびれや痛みを感じやすくなります。

糖尿病性神経障害は末梢神経に影響を与え、手や足のしびれや痛みを引き起こすときが多いです。

手の親指だけがしびれる場合も、神経障害が原因であると考えられます。

その他の糖尿病の初期症状としては、以下の症状がみられます。

  • トイレが近い
  • 頻繁に喉が渇く
  • 体重が減る

上記の症状とともに手や足のしびれが現れる場合は、糖尿病の可能性が高いといえます。

早期に発見し、適切な治療を受ける姿勢が重要です。

糖尿病以外で手の親指だけがしびれる原因は複数ある

手の親指だけがしびれる。糖尿病以外で考えられる原因

手のしびれは、必ずしも糖尿病に限られた症状ではありません。

他にも様々な要因や病気によって、引き起こされます。

糖尿病以外で考えられる主な原因を、以下にまとめました。

病名主な特徴主な原因
ビタミンB12欠乏症疲労感や記憶力の低下の症状も出るビタミンB12の不足
手根管症候群夜間に強く痛む長時間のパソコン作業や手作業
甲状腺機能低下症女性に多い甲状腺ホルモンの分泌が不足
多発性硬化症視力や筋力も低下する自己免疫の問題
頸椎症頭痛、めまいを伴う年齢や姿勢の悪さ
血行不良感覚がマヒする冷え性や冷たい環境に触れた
脳血管障害力が入らない、言葉が出ない肥満やストレス

例えば、毎日のデスクワークで手を多く使う仕事をしている人が手の親指のしびれを感じ糖尿病を疑って病院を訪れました。

しかし検査の結果、糖尿病ではなく「手根管症候群」が原因だと判明しました。

手首を酷使し続けた結果、正中神経が圧迫されていたのです。

しびれの原因を特定するためには、症状の詳細や他の関連症状を考慮する必要があります。

糖尿病による手の親指のしびれと他の原因による症状の見分け方

手のしびれが糖尿病によるものか、他の要因によるものかを見分けるためには、以下のポイントを観察します。

  • 症状の特徴
  • しびれ以外の症状
  • 症状の出現時間と頻度

糖尿病性神経障害によるしびれは、一般的に以下の特徴を持ちます。

スクロールできます
症状の特徴左右対称に症状が現れる手足の先端から徐々に他の部分に移動する症状が徐々に悪化する
他に現れる症状口が渇く体重が減る汗がよく出る
症状の出現時間と頻度時間に関係なく痛む徐々に痛くなる

まずは、症状の特徴をよく観察しましょう。

糖尿病の場合は左右対称にしびれを感じるケースが大半です。

しかし手根管症候群では特定の指のみにしびれが生じ、頚椎ヘルニアでは片側の手に痛みが集中する場合があります。

その後、しびれ以外の症状を観察してみてください。

喉が渇き、以前より痩せている場合、糖尿病が原因の可能性があります。

他の病気が原因の場合は、一般的に口渇や多尿などの症状は見られません。

またいつしびれを感じるのか、1日に何回痛むのかを見極めます。

糖尿病が原因の人は時間に関係なくしびれ、徐々に悪化します。

手根管症候群は寝ている時間帯に、強くしびれる傾向です。

血行不良の場合は、主に寒い季節や冷たいものに触れたときにしびれを感じます。

しびれの原因を特定するには、症状の詳細や他の関連症状からの見極めが大切です。

症状の観察は医師に相談する際にも役立つため、しびれを観察するとよいでしょう。

親指のしびれに対する検査は血液検査や画像検査

親指のしびれに対する検査。血液検査や画像検査

親指のしびれを感じた場合、まずは以下の診療科を受診します。

  • 内科(糖尿病内科)
  • 神経内科
  • 整形外科

糖尿病が疑われる場合は、内科や糖尿病内科が適切です。

しかししびれの原因が多岐にわたるため、他の原因の可能性がある人は総合的な診断が可能な医療機関を選ぶ方が良い場合もあります。

親指のしびれの原因を特定するために、以下のような検査が行われます。

検査名概要
血液検査血糖値、HbA1c、ビタミンB12などを調べる
神経伝導検査神経の伝導速度や振幅を測定する
画像検査MRIやCTで神経の圧迫や変性をチェックする
神経学的診察反射や感覚機能を確認する

さらに医師からはしびれの特徴や発症時期、生活習慣などを問診されます。

事前に答えられるようにすると、検査がスムーズです。

医師は検査結果を総合的に判断し、診断を確定します。

糖尿病と診断されたら血糖値の管理と生活習慣の改善を行う

糖尿病による親指のしびれを改善するためには、血糖値の管理と生活習慣の見直しが不可欠です。

糖尿病による神経障害は、早期に対処しなければ進行しやすい傾向があり、合併症のリスクが高まります。

糖尿病による親指のしびれの治療は、大きく分けて以下の3つです。

  • 血糖コントロール
  • 神経障害の治療
  • 合併症の予防

血糖コントロールは、食事療法や運動療法、薬物療法を組み合わせて行います。

糖質を控えたバランスの取れた食事を心がけ、血糖値を安定させます。

さらに適度な運動は血糖値を下げて血行を改善し神経の働きを助けるため、意識して行いましょう。

加えてインスリン注射や血糖降下薬など、医師の指示のもと適切な薬を服用し、血糖値をコントロールします。

神経障害の治療は、薬物療法が中心です。

医師の指示に従い、痛み止めやビタミン剤を服用します。

最後に、合併症のリスク管理を心がける姿勢が大切です。

親指の皮膚を清潔に保ち傷口を適切にケアし、感染症を防ぎます。

あわせて定期的に医師の診察を受け、合併症を早期に発見につなげます。

生活習慣の見直しも、非常に重要です。

喫煙は血管を狭め、血行を悪くするため、糖尿病の合併症を悪化させる原因となります。

この機会に、禁煙を始めるとよいでしょう。

さらにアルコールは血糖値を上昇させる可能性があるため、控えめにするか、医師に相談しましょう。

そしてストレスは、血糖値を上昇させるリスクがあります。

ヨガや瞑想など、自分に合ったストレス解消法を行うのが良いでしょう。

不安が大きい場合は、同じ糖尿病の患者の集いやイベントに参加して、悩みを共有する機会を作る方法も有効です。

糖尿病による神経障害は早期に治療を開始すると、症状の進行を遅らせ、重症化するリスクを抑えられます。

放置すると感覚が鈍くなり、傷に気づかず感染症を起こしたり、最悪の場合はしびれの強い部分の切断を選択せざるを得ない状態になったりします。

医療専門家のアドバイスを積極的に取り入れ、自己管理に努める姿勢が大切です。

親指のしびれが気になる場合は糖尿病を疑おう

この記事では、手の親指のしびれと糖尿病の関係について解説しました。

手の親指だけがしびれる場合は、糖尿病の可能性があります。

しかし糖尿病以外にも親指がしびれる原因となる病気が、複数存在します。

まずは自分の症状を観察し、どのような場面で痛むのか、他にも症状がないかを確認してください。

そのうえで医師に相談して検査を受け、適切な治療を行いましょう。

しびれを放置すると、病状が進行し最悪の場合は切断に至るリスクがあります。

さらに糖尿病かもしれないというストレスが痛みを悪化させる可能性があるため、自己判断せず、医療機関で検査を受けるようにしましょう。

適切な治療や生活習慣を見直し、しびれの解消につなげてください。

この記事の監修者

大学病院で糖尿病・内分泌内科の臨床医として経験を積み「リサーチマインドを持った診療」をモットーに日々研鑽を積んでまいりました。当院が少しでもあなた様のお役に立つことが出来れば幸いです。

■経歴
平成21年3月 金沢医科大学医学部医学科卒業
平成21年4月 杏林大学病院 初期臨床研修医
平成26年1月 金沢医科大学病院 糖尿病・内分泌内科学教室
平成30年4月 金沢医科大学病院 助教
平成30年9月 金沢医科大学大学院医学研究科 博士課程修了
令和3年1月 金沢医科大学病院学内講師
令和5年6月 Gran Clinic(石川県金沢市)院長

■所属学会
日本内科学会 認定医
日本糖尿病学会 専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本腎臓学会
日本内分泌学会

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