糖尿病でもOK!小腹を満たすおやつでストレス解消

糖尿病でもOK!小腹を満たすおやつでストレス解消

糖尿病を患っている方でおやつを食べたいけど血糖値が心配、、という悩みを抱えている人が多く見受けられます。

糖尿病の管理においては、食事制限がストレスの元となり、生活の質を低下させる原因の1つになっています。

したがって適度なおやつを上手に取り入れてストレスを軽減し、健康的な生活を維持するのが重要です。

この記事では糖尿病の方でも安心して楽しめる低糖質おやつの選び方や、おやつ時の注意点について詳しくお伝えします。

この記事でわかること
  • 糖尿病の基本的な疾患の理解
  • 食べて良いおやつの種類や選び方
  • 避けるべきおやつ
目次

糖尿病とは血糖値が慢性的に高くなる病気です

糖尿病はインスリンの分泌不足や作用低下によって、血糖値が高くなる病気です。

インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、役割は血液中のブドウ糖を細胞に取り込む役割です。

インスリンが不足して効果が弱まると、血糖値が上昇します。

血糖値が高い状態が続くと、さまざまな健康問題を引き起こします。

糖尿病による様々な合併症

  • 心臓病
  • 肺炎
  • 腎不全神経障害
  • 網膜症により失明
  • 一般的な感染を引き起こしやすくなる:足潰瘍、歯周病

糖尿病はHbA1cを目標に近づけるよう管理される

糖尿病になると、血糖値を正常範囲に保つのを目標に管理されます。

HbA1cは過去1~2か月間の平均血糖値を示し、糖尿病のコントロール状態を把握するために用いられる指標です。

HbA1cを7.0未満に保つのが推奨されています。(糖尿病と診断されていない方は正常値5.6%未満)

これを達成するためには、食事療法や運動療法薬物療法を組み合わせて血糖を管理し定期的に医師の指導を受けるのが必須です。

砂糖が血糖値を上げるのは、現代社会においてほぼ常識となっています。

しかしこの知識があるにもかかわらず、甘いものへの欲求を完全に抑えるのは多くの人にとってとても困難です。

ストレス解消や気分転換、仕事後のご褒美など、心理的な面でも重要な役割を果たしています。

そのため健康への悪影響を知りつつも、甘いものを完全に断つのは苦痛を伴います。

我慢を続けてリバウンドしてしまっては、更なる糖尿病悪化になりかねません。

そのため完全な禁止ではなく、対処法を見つけるのが大切です。

例えば少量の天然甘味料を使用したり、果物など自然な甘みを持つ食品を適度に取り入れたりすると、甘みの欲求を満たしつつ血糖値の急激な上昇を避けられます。

糖尿病でも食べられるおやつはある

小腹を満たせられる糖尿病でも食べられるおやつ

糖尿病の方が安心して食べられるおやつには、いくつかの特徴があります。

糖質やでんぷん質が少ないものは、血糖値を急上昇させません。

またタンパク質が豊富なおやつは、血糖の上昇を緩やかにするのに適しています。

上手におやつの種類を選ぶと、糖尿病の方でも小腹を満たせられるのです。

糖尿病の方が安心して食べられる代表的なおやつ

糖尿病の方が安心して食べられる代表的なおやつを紹介します。

量を考えた適切な摂取は、間食も怖くありません。

おやつは原材料が明らかで自分で調整できる手づくりが1番良いのですが、コンビニやスーパーで手軽に手に入りそのまま食べられるものもあります。

1.ナッツ類

アーモンドやクルミなどは食物繊維や不飽和脂肪酸が豊富なので、血糖値を急激に上げずに満腹感を得られます。

高血圧や食べ過ぎ防止のため、無塩のものを選んでください。

2.果物

ベリー類(イチゴ、ブルーベリー、ラズベリー)やキウイ、グレープフルーツは特におすすめです。

果物の中でも比較的糖質が少なく、ビタミンCや食物繊維が豊富になります。

3.無糖ヨーグルト

タンパク質が豊富で、腸内環境を整える効果も期待できます。

糖質が少ないため、血糖値の急上昇を防ぎます。

4.高カカオチョコ

カカオ含有率70%以上の高カカオチョコは糖質が少なく、血糖値の急激な上昇を抑えられます。

5.ゆで卵

良質なタンパク質を含み、糖質が非常に少ないため、血糖値を安定させるのに適しています。

6.小魚

カルシウムや鉄分、EPAやDHAが豊富で血糖値の変動が少ない食品です。

7.枝豆

糖質が少なくタンパク質、食物繊維ともに豊富で、体重管理にも適しています。

野菜と豆類の栄養素を同時に摂取できるおやつです。

8.チーズ

タンパク質が豊富で、糖質が少ない食品です。

またカルシウムやビタミンB12などの栄養素も含まれており、骨粗鬆症の予防も期待できます。

9.あたりめ

高タンパクで低カロリー、低糖質なおやつです。

硬いため、口がさみしくてつい食べてしまう時などに良い選択肢になります。

コンビニスイーツも食べられる

コンビニスイーツを選ぶ際には、糖質やカロリー表示の確認が重要です。

最近では糖質オフやカロリー控えめの商品が増えており、選択肢が広がっています。

たとえば糖質を抑えたプリンやゼリー、ナッツ類を使ったスイーツは、適度な甘さを楽しみながら血糖値のコントロールに役立ちます。

また煮卵や豆腐バー、サラダチキンなどのお惣菜も空腹時におすすめです。

これらの商品は手軽に購入出来る上に、小分けの商品が多いため食べ過ぎが防がれます。

避けるべきおやつ

糖尿病の方が避けるべきおやつ

一方で、糖尿病の方が避けるべきおやつもあります。

まず糖質の多いおやつは血糖値を急激に上昇させるため、注意が必要です。

またカロリーが高いおやつは、体重増加を招くうえにインスリン抵抗性を悪化させる可能性があります。

さらに、糖質が多いおやつは心臓血管のリスクを高めます。

避けるべきおやつの代表例は次の通りです。

1.コーラや清涼飲料水など甘い飲み物

果汁ジュースは、果物そのものより糖分が濃縮されています。

野菜ジュースも、侮れません。

添加された糖分や人工甘味料に、注意が必要です。

飲料は摂取しやすい分、大量に摂取してしまいがちです。

血糖値を急上昇させ、知らぬ間に高血糖状態を維持してしまいます。

お水やお茶に切り替えるのをおすすめします。

2.スナック菓子

ポテトチップスなどのスナック菓子は高脂質で、インスリンの抵抗性を引き起こしやすいです。

また味には添加物による依存性があり、大量に摂取してしまいます。

3.菓子パン

クロワッサンやデニッシュパン、メロンパンや揚げパンなどの菓子パンは、エネルギーと脂質が過剰になりやすく血糖値を急上昇させます。

比較的カロリーの少ないベーグルや全粒粉パン、野菜の入ったサンドイッチに変えるのをおすすめします。

4.チョコレート菓子

少量でも、糖質とエネルギーが多く含まれています。

高カカオのチョコレートを、量の調整をして摂取するのをおすすめします。

5.和菓子

大福やお饅頭などは、皮に炭水化物が多く含まれています。

あんも砂糖が多く含まれているのが一般的です。

大量に摂取すると、血糖値が急激に上がるリスクが高まります。

6.人工甘味料を使ったおやつ

少量で砂糖の数倍の甘みを感じるため、インスリンの分泌に影響を与えてしまいます。

一見カロリーや糖分が少ないように見えて、ついつい食べ過ぎてしまうので、糖尿病を悪化させる可能性があります。

糖尿病の方に贈るおやつ

糖尿病の方に贈るおやつ。相手の健康を考慮した品物

糖尿病の方への贈り物としておやつを選ぶ際には、相手の健康を考慮した品物が望ましいでしょう。

糖質やカロリーを抑えたおやつは、健康管理をサポートします。

例えば高カカオのチョコレートはパッケージも洗練されたものが多く、高級感があって喜ばれます。

寒天を使ったゼリーは非常に低カロリーで、糖質がほとんど含まれていません。

食物繊維を多く含み、食べるとお腹が膨れやすく満腹感も得やすいです。

便通で悩む女性に多く支持されているため、健康的なおやつとしておすすめできます。

贈り物として選ぶおやつは見た目にも美しく、食べる人を視覚的に楽しませる物が理想的です。

少量でも十分に満腹感を得られるようなものだとさらに良いでしょう。

また自分へのご褒美としておやつを購入するのもおすすめです。満足感を得られ、糖尿病改善へのモチベーション向上やリフレッシュにもつながります。

糖尿病はおやつをとる時間や量、回数管理の工夫が必要

おやつは一度に大量に摂るのではなく、少量を数回に分けて食べると血糖値の急上昇が防がれます。

また就寝前は血糖値が上昇しやすいため、避けましょう。

どうしても食べたいものがある場合、おやつは活動前か、エネルギーを消費しやすい日中に摂るようにしましょう。

カロリーは、200キロカロリー以内を目安に抑えるのが理想です。

何かをしながら食べるのではなく、食べるのに集中すると食べ過ぎが防がれます。

甘みの欲求

砂糖が血糖値を上げるのは、現代社会においてほぼ常識となっています。

しかしこの知識があるにもかかわらず、甘いものへの欲求を完全に抑えるのは多くの方にとってとても困難です。

ストレス解消や気分転換、仕事後のご褒美など、心理的な面でも重要な役割を果たしています。

そのため健康への悪影響をしりつつも甘いものを完全に断つのは、苦痛を伴います。

我慢を続けてリバウンドしてしまっては、更なる糖尿病悪化になりかねません。

完全な禁止ではなく、対処法を見つけるのが重要です。

例えば少量の天然甘味料を使用したり、果物など自然な甘みを持つ食品を適度に取り入れたりする方法です。

甘みの欲求を満たしつつ、血糖値の急激な上昇を避けられます。

単に我慢するのではなく、おやつは上手に摂ると、持続可能な生活習慣の確立につなげられます。

おやつは完全に禁止なくていい 

糖尿病の方でも、おやつは完全に禁止するべきではありません。

むしろ適切に選択すると、ストレスなく血糖値を管理しやすくなります。

本記事では糖尿病と上手に付き合いながら、おやつを楽しむための秘訣を紹介しました。

これらの知識を活用してて罪悪感なくおやつを楽しみ、より豊かな食生活を送りましょう。

この記事の監修者

大学病院で糖尿病・内分泌内科の臨床医として経験を積み「リサーチマインドを持った診療」をモットーに日々研鑽を積んでまいりました。当院が少しでもあなた様のお役に立つことが出来れば幸いです。

■経歴
平成21年3月 金沢医科大学医学部医学科卒業
平成21年4月 杏林大学病院 初期臨床研修医
平成26年1月 金沢医科大学病院 糖尿病・内分泌内科学教室
平成30年4月 金沢医科大学病院 助教
平成30年9月 金沢医科大学大学院医学研究科 博士課程修了
令和3年1月 金沢医科大学病院学内講師
令和5年6月 Gran Clinic(石川県金沢市)院長

■所属学会
日本内科学会 認定医
日本糖尿病学会 専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本腎臓学会
日本内分泌学会

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