食べる順番で血糖値の上昇を抑制する方法と普段の食事への向き合い方を紹介

食べる順番。血糖値の上昇を抑制する方法。普段の食事への向き合い方を紹介

血糖値の急上昇は糖質の過剰摂取や生活習慣病などが要因で起こり、高血糖や糖尿病につながる可能性があります。

高血糖や糖尿病を発症した場合は、食事内容の改善で食べるのを控えたほうが良い食材も出てくるでしょう。

しかし、高血糖や糖尿病の発症前である場合は、食べる順番食事中の意識の改善で血糖値の急上昇をある程度対策できます。

この記事では、血糖値の上昇対策としての食べる順番や食事への向き合い方などをまとめました。

  • 食べる順番は栄養素の多さを基準にして食物繊維、たんぱく質、糖質が良い
  • 水溶性食物繊維が体内で糖質の消化吸収を遅らせる
  • ベジファーストを心がける場合、野菜の糖質量を確認する
  • たんぱく質は消化吸収に時間がかかり、糖質の消化吸収を遅らせる
  • 毎日の食事では料理に意識を向けて、よくかんで食べる
  • 空腹からの食べ過ぎを防ぐために朝食や間食を活用する
  • 外食やコンビニ弁当も栄養素を確認して商品を選ぶ

血糖値が気になる人で、なるべく普段の食事内容を変えたくない人は、参考にしてください。

目次

食べる順番は食材に含まれる栄養素の多さによって変える

食事で食べる順番を意識的に変えた場合、栄養素の働きで血糖値の上昇を抑えられます。

血糖値の上昇対策としての食べる順番は、以下のとおりです。

  1. 食物繊維が多い食材
  2. たんぱく質が多い食材
  3. 糖質が多い食材

血糖値は食事で糖質を摂取したときに上昇しますが、通常はホルモンのインスリンによって、正常な数値に下げられます。

しかし、糖質の過剰摂取などが原因で血糖値が急上昇した場合、インスリンの効果で血糖値を完全に下げきれません。

血糖値の急上昇が繰り返されて、正常な値に戻らないまま高止まりが発生した場合、糖尿病の発症リスクが高まります。

食物繊維とたんぱく質は両方とも糖質の消化吸収を遅らせる働きがあり、消化吸収が遅れると血糖値の上昇を緩やかにできます。

そのため、食べる順番としては、糖質よりも先に食物繊維とたんぱく質を摂取しましょう。

水溶性食物繊維は体内でゲル状になって栄養素の消化吸収を遅らせる

食物繊維のなかでも水溶性食物繊維は、体内で消化されずに水分を吸収して、以下のような効果を発揮します。

  1. 水分を吸収した水溶性食物繊維がゲル状になり、胃や腸に残る
  2. 後から体内に入ってきた栄養素にゲル状の食物繊維がくっついて、胃や腸で消化吸収するまでの流れを遅らせる
  3. 糖質の場合は消化吸収が遅れると、血糖値の上昇が緩やかになる
  4. インスリンの分泌が十分に間に合って、血糖値が正常な数値に戻る

水溶性食物繊維のゲル化は、食べてすぐに起こるわけではありません。

水分を吸収するまでの時間を確保する点から、食物繊維は最初に食べたほうが良いでしょう。

野菜であっても栄養素の含有量によっては先に食べるべきではない

食事の健康的な食べ方について、野菜を最初に食べるベジファーストという考え方があります。

血糖値の上昇対策としても、食物繊維の多い野菜を先に食べるのは効果的であるため、ベジファーストは間違った考え方ではありません。

しかし、野菜の種類によっては、以下のように糖質の含有量が多い場合があります。

野菜類100gあたりの糖質の量
にんじん6.5g
かぼちゃ8.1g
れんこん13.5g
ごぼう9.7g

※参考:食品成分データベース

糖質が多い野菜を最初に食べると、血糖値の上昇を引き起こす可能性があります。

野菜だから最初に食べるのではなく、あくまで食物繊維の多い野菜を選んで食べましょう。

たんぱく質は消化するまでの時間と満腹感が血糖値の上昇を防ぐ

食物繊維の次に食べたい栄養素は、肉や魚、大豆などに含まれるたんぱく質です。

たんぱく質は以下の3つの点から、血糖値の上昇を抑制します。

  • 糖質より消化吸収に時間がかかるため、先に食べると後から食べる糖質の消化吸収を遅らせる
  • たんぱく質に含まれる成分がインクレチンの分泌を促進させ、インクレチンはインスリンの分泌を促進させる
  • 満腹感を得られるため、食べ過ぎによる糖質の過剰摂取を防げる

食物繊維の消化吸収を遅らせる効果は、たんぱく質に対しても有効です。

そのため、食物繊維からたんぱく質の順番で食べた場合、糖質を食べるまでに消化吸収を遅らせる状態を作れます。

毎食の意識として食事に集中しながらよくかんで食べる

毎食の意識。食事に集中しよくかんで食べる

血糖値の上昇対策をするために、食べる順番以外で手軽に改善できるのは、以下の2つです。

  • よくかんで時間をかけて食べる
  • 何かをしながら食べるのではなく、食事に集中する

よくかんで食べると、自然に時間をかけられるため、栄養素を摂取してから消化吸収するまでの時間も緩やかにできます。

かむ回数が多いと満腹中枢が満たされて、食べ過ぎによる血糖値の急上昇を防ぐ効果もあります。

近年の食べ方で増加しているのは、スマホやタブレットなどで動画を視聴しながらの食事です。

ほかの何かをしながら食べると、食事をしている意識が薄れて、満腹感を得られずに食べ過ぎてしまう場合があります。

食事に集中できるように、テレビやスマホなどの視聴は食事の前後で済ませましょう。

朝食は少しでも食べたほうが昼食で大量に食べる危険性を防げる

血糖値の急上昇は空腹から糖質のある食材を大量に食べて、引き起こされる場合があります。

毎日の食事で朝食を抜いている人は、糖質を食べる回数を減らせていると思うかもしれません。

しかし、血糖値の上昇対策において、朝食を抜くのは危険です。

夕食を食べる時間にもよりますが、一般的な生活では夕食から翌朝の朝食までは10時間以上空く可能性があります。

10時間以上の空腹から朝食を抜いて、昼食を食べる場合、半日以上の空腹が続きます。

食事から次の食事までの時間の例空腹の時間
19時に夕食を取った後、23時に就寝
翌朝の6時に起きて朝食を取る場合
約11時間
6時に起きてすぐに食事を取り、12時に昼食を取る場合約6時間
19時に夕食を取った後、23時に就寝
翌朝の6時に起きて、朝食抜きで12時までに昼食取る場合
約17時間

空腹の時間が長くなると、次の食事で大量に食べる可能性も高まるため、朝食は少しでも食べるようにしましょう。

朝食の量が食べられない場合は、次で紹介する間食を活用して、複数回に分けて少しずつ食事を取る方法もあります。

次の食事までの時間が長く空く場合はおやつなどの間食も活用する

おやつなどの間食は空腹からの食べ過ぎを防ぐ効果があるため、次の食事までの時間が長く空く場合は有効です。

ただし、間食であっても好きなように食べていいわけではありません。

お菓子類は糖質や脂質、塩分が多い商品があり、毎日のように間食すると不健康になる可能性があります。

間食でも食物繊維やたんぱく質の多い軽食を、意識して選んでください。

特に食物繊維は、体内に残ったものが排便されるまで残るため、次の食事で水溶性食物繊維の効果が発揮される可能性があります。

アーモンドなどのナッツ類や茎わかめは、糖質が少なく、食物繊維やたんぱく質を摂取しながら空腹を埋められます。

外食やコンビニ弁当が多い場合は栄養素の成分量をよく確認する

外食やコンビニ弁当。栄養素の成分表をよく確認する

血糖値の上昇対策としては、栄養素の調整や食べる順番をあらかじめ決められる点から、毎食自炊をするのが理想です。

しかし、仕事や家事の都合から外食やコンビニ弁当を利用しなければいけない人も多いでしょう。

外食やコンビニでも栄養成分表示で糖質や食物繊維などの含有量は把握できるため、過剰摂取の防止や不足する栄養素を判断してください。

食べたい商品の食物繊維やたんぱく質が不足している場合は、一品料理を購入して、栄養素を補えるようにします。

特に食物繊維が多いサラダは、単品で食べられるため、食べる順番としても食事の最初に差し込める食品です。

弁当に入っているおかずも、なるべく食物繊維やたんぱく質が多い食材から食べられると、ごはんなどの糖質による血糖値の上昇を防げます。

食べる順番や食事への意識を改善して血糖値を正常に保つ

栄養素の食物繊維やたんぱく質は体内で糖質の消化吸収を遅らせて、血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。

血糖値を急上昇させない食事としては、食物繊維からたんぱく質、糖質の順番で食べるように意識してみましょう。

よくかんで食べる行為や食事への集中は、満腹中枢を満たして、食べ過ぎによる糖質の過剰摂取を防ぐ効果が期待できます。

空腹による食べ過ぎを防ぐ点では間食も有効であり、特に朝食の量が食べられない人は、間食を活用すると空腹の時間を減らせます。

食べる順番や食べ方を変えるだけでも、血糖値の上昇対策として効果があるため、できる範囲で改善してみてください。

この記事の監修者

大学病院で糖尿病・内分泌内科の臨床医として経験を積み「リサーチマインドを持った診療」をモットーに日々研鑽を積んでまいりました。当院が少しでもあなた様のお役に立つことが出来れば幸いです。

■経歴
平成21年3月 金沢医科大学医学部医学科卒業
平成21年4月 杏林大学病院 初期臨床研修医
平成26年1月 金沢医科大学病院 糖尿病・内分泌内科学教室
平成30年4月 金沢医科大学病院 助教
平成30年9月 金沢医科大学大学院医学研究科 博士課程修了
令和3年1月 金沢医科大学病院学内講師
令和5年6月 Gran Clinic(石川県金沢市)院長

■所属学会
日本内科学会 認定医
日本糖尿病学会 専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本腎臓学会
日本内分泌学会

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