玄米が血糖値に与える良い効果や毎日の食事で習慣化するための工夫を紹介

玄米が血糖値に与える良い効果。毎日の食事で習慣化するための工夫

玄米は主食の白米から置き換える形で取り入れられる食材であり、血糖値の上昇対策やダイエット効果が期待できます。

ただし、食べ過ぎると悪影響を及ぼす可能性があり、白米と比較して美味しく食べるには少し工夫が必要です。

この記事では、玄米が血糖値に与える良い効果や、健康食として食べ続けるための工夫などをまとめました。

この記事でわかること
  • 玄米は白米よりも食物繊維が多く、血糖値を急上昇させない低GIに該当する
  • 水溶性食物繊維が体内で糖質の吸収を遅らせる
  • 食物繊維全体で満腹感の持続や腸内環境を整える効果がある
  • 玄米は白米と比較した場合、ビタミンやミネラルも多く含まれている
  • 食感の硬さとよく噛んだときに出る甘み、香ばしい香りが特徴である
  • 炊き上げる際は玄米を5~6時間以上浸水させて、炊飯器の玄米モードを利用する
  • 食べ慣れないうちは白米とのブレンドや調理で味や風味を変える
  • 食べ過ぎると糖質による血糖値の上昇や食物繊維によるお腹の不調が発生する

血糖値の高さが気になって、食事から改善しようと考えている人は、参考にしてください。

目次

玄米の栄養素による効果で主食を我慢せずに血糖値をコントロールする

玄米の栄養素による効果。血糖値をコントロール

血糖値の急上昇を対策するためには、血糖値を上昇させる直接的な原因の糖質について、摂取量を調整する必要があります。

糖質は白米やパンなどの主食に含まれており、特に日本の場合は白米を日常的に食べる機会が多いため、摂取量の調整における課題です。

しかし、糖質の摂取量の調整から白米を食べられないと、普段から食べている主食を我慢する点にストレスを感じる人もいます。

血糖値はストレスの影響でも上昇するため、毎日の食事でストレスを感じるのは避けたほうが良いでしょう。

そんなときに主食を我慢せず、血糖値の上昇を防げるのがお米の一種である玄米です。

主食として食べていた白米を玄米に置き換えるだけでも、血糖値の上昇対策として一定の効果があります。

玄米は稲からもみ側のみを取った状態で食物繊維を豊富に含んでいる

玄米は白米と比べて食物繊維が多く、糖質がやや少ない食材です。

元を辿ると同じ稲から取れるお米ですが、精米するまでの過程で以下のような変化があります。

  1. もみ:稲から取ってもみ殻に包まれた状態
  2. 玄米:もみからもみ殻を取った状態
  3. 胚芽米:玄米を精米してぬかだけを取り除き、胚芽を8割以上残した状態
  4. 3~7分精米:玄米を精米してぬかだけを取り除き、胚芽を3~7割残した状態
  5. 白米:玄米を精米して、ぬかや胚芽をすべて取り除いた状態
  6. 無洗米:白米から肌ぬかを取り除いて、洗わないでもすぐに炊ける状態

人によってはある程度胚芽を残す場合もありますが、日本でお米として多く食べられているのは白米の状態です。

しかし、白米は精米する過程で食物繊維を多く含む米ぬかを取り除いています。

食物繊維には血糖値の上昇を抑える効果があるため、血糖値の上昇対策としては米ぬかが残った状態の玄米が適しています。

GI値の基準で見た場合でも玄米のほうが白米よりもGI値が低い食材である

GI値は食材を食べた際の血糖値の上昇度を示す基準であり、血糖値の上昇対策としてGI値の低い食品を積極的に取り入れる場合があります。

GI値の分類は、以下のとおりです。

  • 55以下:低GI
  • 56~69:中GI
  • 70以上:高GI

上記の基準に沿った場合、白米はGI値88の高GIであるのに対して、玄米はGI値55の低GIに該当しています。

玄米は食物繊維以外の要素も含めて、糖質を一定量含む炭水化物でありながら、血糖値の上昇度が低い食材として判定されています。

そのため、血糖値の上昇を対策するうえで、同じ糖質を摂取する主食としては白米よりも玄米のほうが有用です。

玄米は食物繊維を中心とした豊富な栄養素が血糖値の上昇を抑える

玄米の豊富な栄養素。血糖値の上昇を抑える

玄米が血糖値を急上昇させない低GIに該当する具体的な要因は、以下のとおりです。

  • 水溶性食物繊維に血糖値の上昇を緩やかにする効果がある
  • 栄養素全体の健康効果が間接的に血糖値の上昇対策につながる

玄米は白米で取り除かれる米ぬかや胚芽に豊富な栄養素が詰まっており、血糖値の上昇対策に限らず、さまざまな健康効果を得られます。

なかでも重要な栄養素は食物繊維であり、摂取した後の体内における変化が糖質の吸収や腸内環境に良い影響を与えます。

そのため、血糖値の上昇対策と同時に、腸内環境を整えたい人にも有用な食材です。

水溶性食物繊維は体内で粘着質の物質に変わって糖質の吸収を遅らせる

食物繊維のうち、水溶性食物繊維が血糖値の急上昇を抑える効果があります。

具体的な体内における水溶性食物繊維の変化は、以下のとおりです。

  1. 水溶性食物繊維は消化されずに体内で水分を吸収して、粘着質の物質に変わる
  2. 粘着質な物質が胃や腸に張り付き、後から摂取した糖質に張り付く、もしくは引っかかって移動を遅らせる
  3. 糖質の消化吸収が遅れた結果、血糖値の上昇が緩やかになる
  4. 血糖値を下げるホルモンのインスリンもゆっくり分泌される

白米も食物繊維を少し含んでいますが、玄米のほうが含有量が多く、上記の流れで糖質の吸収を遅らせる効果が高まります。

食物繊維による満腹感の持続や腸内環境を整える効果も血糖値に影響する

食物繊維は水溶性不溶性の2種類に分けられており、玄米は両方の成分を含んでいます。

食物繊維を摂取した場合に期待できる健康効果は、以下のとおりです。

  • 水溶性食物繊維が消化吸収を遅らせるため、満腹感が持続して食べ過ぎない
  • 水溶性食物繊維が腸内の善玉菌のエサになり、善玉菌の働きで免疫力が高まる
  • 不溶性食物繊維が水分を吸収して便のかさを増やし、腸を刺激して排便を促す

水溶性食物繊維の消化吸収を遅らせる効果から腹持ちが良くなり、食べ過ぎで血糖値を急上昇させるリスクを減らせます。

食べ過ぎの防止は肥満対策や体重管理にもつながるため、生活習慣病全般の予防としても有用です。

食物繊維全体で腸内環境を整える効果もあり、腸内の働きや排便が正常に行われると、良い健康状態を維持できます。

体調不良も血糖値の上昇に少なからず影響があるため、食物繊維の効果は間接的にも血糖値の上昇対策につながります。

玄米に含まれる食物繊維以外の栄養素からもさまざまな健康効果を得られる

玄米は白米と比較した場合、以下のようなビタミンやミネラルも多く含んでいます。

  • ビタミンB1:エネルギー産生の補助や神経の情報伝達を支える
  • ビタミンB2:エネルギー産生の補助や発育を促進させる
  • ビタミンB6:アミノ酸や脂質の代謝を補助して、免疫機能の維持などにも影響する
  • ビタミンE:抗酸化作用で細胞の老化を防ぎ、動脈硬化の予防や血行を促進させる
  • カリウム:余分な塩分を排出する働きで血圧を調整し、血圧の上昇を抑える
  • カルシウム:骨や歯の主成分になり、身体の働きをサポートする
  • マグネシウム:骨や歯を形成して、筋肉や血圧を調整する
  • リン:骨や歯を丈夫にして、神経機能の正常化や細胞を構成する

白米から玄米に置き換えた場合は、上記の栄養素も毎日の食事で少しずつ摂取できて、それぞれの健康効果を得られます。

玄米を主食として習慣化するために炊き方や調理を工夫して慣れる

玄米を主食として習慣化。炊き方や調理を工夫して慣れる

玄米は白米と比較した場合、硬めでプチプチとした食感があり、穀物の香ばしさと甘みを感じられる食材です。

よく噛んで食べると甘みがより出てくるため、人によってはそのままでも白米より美味しく食べられます。

一方で、お米であっても白米とまったく同じと思って食べると、硬い食感や独特な香ばしさに違和感を覚える人もいます。

玄米の健康効果を得るためには毎日食べるのを習慣化するのが理想ですが、美味しく食べられない場合は長続きしません。

ストレスを感じずに食べるためにも、玄米を取り入れる際は美味しくできるような炊き方や調理方法を実践してみましょう。

玄米を美味しく炊き上げるには浸水や炊飯器の玄米モードを活用する

玄米を美味しく炊き上げるための手順は、以下のとおりです。

  1. ざるを使用してとぎ始めはなるべく早く水を交換しながら玄米の表面を洗う
  2. 洗い終わった玄米に吸水させるために最低でも5~6時間、時間がある場合は夏場で8時間、冬場で12時間浸水させる
  3. 玄米を水から出して炊飯釜に入れた後、玄米の1.5倍の量の水、もしくは炊飯器に書かれた玄米用の目盛りまで水を入れる
  4. 炊飯器に玄米モードがある場合は使用して、ない場合は通常の炊飯を行う

長時間の浸水は少し手間がかかりますが、吸水した玄米はそのまますぐに炊き上げるよりもふっくらとした食感にできます。

炊飯器に玄米用の目盛りや炊き方が付いている場合は、基本的にはその機能を活用しましょう。

玄米モードがない場合でも、玄米に対して1.5倍の水を入れて通常の炊飯をした場合は、美味しく炊き上げられます。

玄米を食べ慣れていない間は味付けや白米とのブレンドを試してみる

玄米は食感や風味は異なりますが、基本的には白米と同じお米であるため、調理でアレンジする際は白米から置き換える形で使えます。

おにぎりやチャーハンとして使う場合は、玄米の甘味を活かせるように、具材は塩味や辛みがあるものを混ぜるとより美味しく仕上がります。

しかし、食べ始めから全部を玄米に置き換えると、お米として慣れないと感じる人もいるでしょう。

玄米を最初から単体で食べるのが難しい人は、白米とブレンドして徐々に玄米の量を増やしていく方法があります。

玄米と白米をブレンドする際に工夫する部分は、以下のとおりです。

  • 食べ始めるうちは玄米と白米が1:5、食べ慣れてきた場合は1:2、1:1と玄米の比率を増やしていく
  • 混ぜて炊く場合も玄米に水分を吸収させるために浸水させる
  • 水分は白米を炊き上げる際の目盛りから2mmほど多く入れる
  • 炊飯は白米を炊き上げるときに使うモードを使う

白米の分の糖質量は増えますが、完全な白米を食べるよりは玄米が混ざっている分、血糖値の上昇を少し抑えられます。

玄米と併せて食べる料理にも食物繊維を取り入れて血糖値の上昇を抑える

主菜や副菜からも食物繊維を摂取できた場合、玄米を食べる前から体内で血糖値の上昇を抑える環境を整えられます。

食物繊維が多い食材の代表例は、以下のとおりです。

分類食材の代表例
野菜類モロヘイヤ
ブロッコリー
オクラ
キノコ類まいたけ
えのき
ぶなしめじ
干ししいたけ
海藻類わかめ
昆布
大豆類大豆
インゲン豆
納豆

上記の食材を使用したサラダや和え物を先に食べておくと、粘着質になった水溶性食物繊維がある状態で玄米を食べられます。

食物繊維は極端にお腹の調子が悪い人でなければ、過剰摂取になる可能性は低いため、積極的に取り入れてみましょう。

玄米の食べ過ぎは血糖値の上昇やお腹の不調につながる

玄米の食べすぎ。血糖値上昇やお腹の不調になる

玄米は豊富な栄養素で健康効果を得られる一方で、糖質を一定量含んでいるため、食べ過ぎると血糖値を急上昇させる可能性があります。

白米から置き換えたからといって、お米の量を気にせず食べられると勘違いしないように心がけましょう。

血糖値の上昇を抑える食物繊維についても、体質によっては整腸作用が過剰に働いて、お腹の調子を悪くする可能性があります。

基本的には過剰摂取が原因であるため、整腸作用を正常に働かせる点でも、玄米の食べ過ぎは厳禁です。

自分の身体に合う玄米の食べる量がわからない場合は、医師や栄養士に相談してみてください。

玄米を毎日の主食として美味しく食べながら血糖値の上昇を対策する

玄米は白米よりも食物繊維を始めとした栄養素が豊富であり、低GIに該当する点から血糖値の上昇を抑える主食として適しています。

主食として白米から置き換える際は、食感や味に慣れない場合もあるため、炊き方や調理を工夫して少しずつ慣れていきましょう。

食物繊維は満腹感の持続による食べ過ぎの防止や腸内環境を整える効果から、良い健康状態を維持する点でも役立ちます。

ただし、玄米にも一定量の糖質は含まれているため、人によっては食べる量で血糖値を上昇させる可能性があります。

医師や栄養士に相談して自分が食べても良い量を把握してから、毎日の主食として玄米を取り入れてみてください。

この記事の監修者

大学病院で糖尿病・内分泌内科の臨床医として経験を積み「リサーチマインドを持った診療」をモットーに日々研鑽を積んでまいりました。当院が少しでもあなた様のお役に立つことが出来れば幸いです。

■経歴
平成21年3月 金沢医科大学医学部医学科卒業
平成21年4月 杏林大学病院 初期臨床研修医
平成26年1月 金沢医科大学病院 糖尿病・内分泌内科学教室
平成30年4月 金沢医科大学病院 助教
平成30年9月 金沢医科大学大学院医学研究科 博士課程修了
令和3年1月 金沢医科大学病院学内講師
令和5年6月 Gran Clinic(石川県金沢市)院長

■所属学会
日本内科学会 認定医
日本糖尿病学会 専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本腎臓学会
日本内分泌学会

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