お酢は体に良いイメージがあるけれど、詳しい効果はわからないという人も多いでしょう。
多くの種類がありますが、特にりんご酢には血糖値が気になる人に多くの利点があります。
今回はお酢が体に及ぼす影響やりんご酢の利点、飲む時の注意点についてまとめました。
- お酢には体に良い効能がある
- りんご酢は血糖値が気になる人に利点がある
- りんご酢を飲む時のポイント
お酢が血糖値に及ぼす効果を知りたい人、血糖値が気になる人はぜひ最後までご覧ください。
お酢には体に対して良い影響を及ぼすさまざまな効能がある
お酢には体に対して良い影響を及ぼす、以下のような効能があります。
- 血糖値の上昇を抑える
- 高血圧を改善する
- 内臓脂肪を減少させて脂肪の蓄積を予防する
血糖値だけでなく、生活習慣病の予防や改善にも効果的です。
糖尿病や高血圧、脂質異常症は代表的な生活習慣病であり、特に肥満の人は発症するリスクが高まります。
血糖値が高い状態が続く高血糖は高血圧や脂質異常、肥満と密接な関係があります。
そのため糖尿病の人の中には高血圧や脂質異常症、肥満症を併発している人も多いでしょう。
肥満に高血糖や高血圧、脂質異常の危険因子が2つ以上重なった状態をメタボリックシンドロームと呼びます。
ここからは、生活習慣病の予防に役立つお酢の効能について解説します。
お酢に含まれる酢酸には血糖値の上昇を抑える働きがある
お酢に含まれる酢酸には糖質の吸収をおだやかにし、血糖値の上昇を抑える働きがあります。
お酢の摂取により胃腸のぜん動運動が鈍くなり、糖質の消化速度が遅くなるためです。
糖質が小腸に移動する速さが遅くなるので、血糖値がゆっくりと上がります。
健常な女性13名に対して行われた試験では、食酢を摂取した人は摂取していない人に比べて血糖値が低いという結果が出ました。
参照元:健常な女性における食酢の食後血糖値上昇抑制効果 – J-STAGE
AMPKはAMP活性化プロテインキナーゼの略称で、細胞内のエネルギー状態に応じて糖質や脂質を調整する働きを持つ酵素です。
活性化により糖質の合成が抑えられるため、血糖値が下がります。
AMPKは、インスリン抵抗性を改善する効果も期待されています。
インスリン抵抗性とはインスリンが分泌されているにもかかわらず、効きが悪くなった状態のことです。
インスリン抵抗性がある人は、糖尿病を発症するリスクが高まります。
酢酸の血管を拡張させる作用により高血圧の改善が期待できる
酢酸には体内に働きかけて血管を拡張させる作用もあり、高血圧の改善が期待できます。
酢酸はアデノシンという物質に作用し、血圧を下げると考えられています。
アデノシンは、体内に存在する物質の1つです。
ある実験によると食酢を含む飲料を10週間摂取したところ、食酢を含まない飲料を飲んでいた人に比べて血圧が低くなるという結果が得られました。
参照元:食酢の減塩効果と血圧への作用について – J-STAGE
お酢を使った料理は、減塩にも有効です。
お酢の酸味が味の物足りなさを補い、塩分の量を減らせます。
日本人が高血圧になる最大の原因は食塩のとりすぎであるため、お酢を使った味付けが役立ちます。
お酢には内臓脂肪を減少させて脂肪の蓄積を予防する働きがある
お酢に含まれるアミノ酸は内臓脂肪を減少させ、酢酸には脂肪の蓄積を予防する働きがあります。
アミノ酸が内臓脂肪を減少させるのは、リパーゼという酵素を活性化させるためです。
リパーゼには、脂肪を分解する働きがあります。
食事の際にお酢を摂取すると、肥満やダイエットに効果的です。
動物を用いた実験によるとお酢を摂取したラットの肝臓では中性脂質の塊が少なく、脂肪酸を合成する脂肪酸合成酵素遺伝子の発現が抑えられました。
血糖値が急激に上がるとインスリンが過剰に分泌され、中性脂肪が増える原因となるためです。
インスリンは血糖値の調整機能を持つホルモンで、余分なブドウ糖を中性脂肪に変える働きがあります。
規則正しい食事や栄養バランスに加えて、毎日の食事にお酢を取り入れると今回紹介したような効能が期待できます。
お酢には多くの種類がありますが、血糖値が気になる人にはりんご酢が有力な候補です。
お酢の中でもりんご酢には血糖値が気になる人に多くの利点がある
りんご酢には、血糖値が気になる人に以下のような利点があります。
- 酢酸を効率良く摂取できる
- まろやかな酸味とさわやかな香り
- 水溶性食物繊維やカリウムが含まれている
- 身近なお店で手に入る
食酢には多くの種類があり、醸造酢と合成酢に分けられます。
合成酢は現在ほとんど造られておらず、普段口にしているのはほとんどが醸造酢です。
醸造酢は、JAS規格によってさらに以下の3つに分類されます。
- 穀物酢
- 果実酢
- その他
穀物酢とは原料にお米や小麦、とうもろこしなどを使って造られたお酢のことです。
一方、果実酢は果物を原料としたお酢で、りんご酢も果実酢に分類されます。
お酢の種類によって特徴が異なるため、ここではりんご酢の利点について解説していきます。
りんご酢は穀物酢よりも酸度が高く酢酸を効率良く摂取できる
食酢は種類によって酸度が異なり、りんご酢は穀物酢よりも酸度が高いため、酢酸を効率良く摂取できます。
酢酸は有機酸の1つであり、有機酸には他にクエン酸やグルコン酸などが含まれています。
以下は、JAS規格に定められている食酢の種類と酸度です。
食酢の種類 | 酸度 |
---|---|
穀物酢 | 4.2%以上 |
果実酢 | 4.5%以上 |
一般的に販売されているりんご酢の酸度は、4.5〜5.0%程度です。
まろやかな酸味とさわやかな香りで初心者でも飲み続けられる
人によって感じ方に差はありますが、りんご酢はまろやかな酸味とさわやかな香りで初心者でも続けられるという特徴があります。
りんご酢は果物の甘味や酸味が感じられる味で、飲み物に適しています。
お酢を摂取する方法はいくつかありますが、継続して摂取するには飲み物として飲むのが最適です。
酢酸は熱に強いため、加熱してすぐに効果が失われるわけではありません。
しかし、毎日お酢を料理に使おうとすると調理法やメニューが限られてしまいます。
飲み物であれば気軽に取り入れられるため、無理なく継続できます。
水溶性食物繊維やカリウムなどの健康効果がある成分が含まれている
りんご酢には水溶性食物繊維やカリウム、ポリフェノールなどの健康効果がある成分が含まれています。
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類がありますが、水溶性食物繊維には血糖値の急上昇を防ぐ効果があります。
水溶性食物繊維が腸の中で糖質を包み込んでゆっくり動き、消化吸収の速度を遅らせるためです。
コレステロールを吸着して体外に排出する働きもあり、コレステロール値を下げる効果が期待できます。
体内にある余分なナトリウムを排出し、血圧を正常に保つ役割を果たします。
カリウムは血糖値を下げるわけではありませんが、高血圧の予防や改善に役立ちます。
高血糖の人は高血圧になるリスクが高く、糖尿病と高血圧症を併発する人も多いため、カリウムは積極的に摂取したい成分です。
他にもりんご酢には、りんご由来のポリフェノールが含まれています。
ポリフェノールとは植物が持つ苦味や色素の成分のことで、強い抗酸化作用を持っています。
体内の有害な物質を無害に変える働きがあるため、ポリフェノールは生活習慣病の予防に効果的です。
スーパーやドラッグストアなどの身近なお店で簡単に入手できる
りんご酢は一般的に多く販売されており、スーパーやドラッグストアなど身近なお店で簡単に入手可能です。
店舗にもよりますが、最近ではコンビニエンスストアでもりんご酢が販売されています。
安価な値段の物も多く、初めてお酢を飲む人も気軽に始められます。
実際に飲んだ人の感想を知りたい場合は、通販サイトの口コミが参考になります。
通販サイトは、まとめ買いをする場合も便利です。
りんご酢は食品であるため、薬やサプリメントに頼りたくない人にも向いてます。
ただし、りんご酢の飲み方にはいくつかポイントがあります。
血糖値の上昇を抑えるためにりんご酢を飲む時のポイントを解説
血糖値の上昇を抑えるためにりんご酢を飲む場合のポイントは、以下の5つです。
- 飲む量は1日15mlを目安にする
- 毎日継続して飲む
- 何倍かに薄める
- 食前または食事中に飲む
- 市販の飲料は糖質の量に気を配る
りんご酢には、りんご酢と純りんご酢の2種類があります。
りんご酢はりんご果汁とアルコールを主な原材料とした果実酢で、くせのないすっきりとした味が特徴です。
一方純りんご酢はりんご果汁のみで造られており、濃厚でコクがあります。
味の好みや価格などを比較し、自分が続けられる商品を選びましょう。
それでは、りんご酢を飲む場合の注意点について解説していきます。
飲む量は1日の15mlを目安に多く飲み過ぎないようにする
量を増やしても効果が倍増するわけではないため、飲む量は1日15mlを目安に多く飲み過ぎないようにします。
摂取する量は、多くても1日に30ml程度にとどめましょう。
過剰な摂取は、胃や喉の粘膜を傷つけてしまう恐れがあります。
ただし、食酢飲料の安全性を確かめる実験では目立った副作用は見られませんでした。
そのため、りんご酢を使った飲み物は用量を守れば安全に効果が得られると考えられます。
お酢の取り入れ方は効果にあまり影響しないため、自分に合った方法が可能です。
飲み物として飲むのが苦手な人は料理の調味料として使う、サラダのドレッシングにするなどの方法があります。
血糖値の状態を改善するためには毎日継続して飲むのが大切
りんご酢の効果はすぐに出るわけではないため、血糖値の状態を改善するには毎日継続して飲むのが大切です。
糖尿病の予防や改善には、毎日の血糖コントロールが重要となります。
血糖コントロールとは、血糖値をなるべく正常値に近付けることです。
食事と運動、薬の投与が基本となり、生活習慣が数値に大きな影響を与えます。
りんご酢を飲み続けるコツは、以下の3つです。
- 自分が飲み続けられる味を見つける
- 飲むタイミングを決めて習慣化する
- 入手する方法を確保する
体にとって良い効果があっても苦手な味を飲み続けるのは難しいため、自分が継続できる味を探すのが大切です。
りんご酢の種類や混ぜる液体によっても、大きく味が変わります。
毎日摂取するには、飲むタイミングを決めて習慣化するのが有効です。
飲み忘れを防ぐためにも、決まった時間に飲むようにするとよいでしょう。
継続して飲み続けるには、入手する方法を確保するのも大切です。
販売しているお店をいくつか見つける、通販でまとめて買うなど在庫を切らさないように気をつけます。
りんご酢を原液で飲むのは避けて水や炭酸水などで何倍かに薄める
りんご酢を原液で飲むと刺激が強いため、水や炭酸水などで何倍かに薄めて飲むようにしましょう。
りんご酢は酸度が高く、そのまま飲むと胃の痛みや不快感につながる場合があります。
エナメル質とは、歯の表面を覆っている1番外側の硬い組織のことです。
酸によってエナメル質が溶けてしまった歯を酸蝕歯(さんしょくし)と言い、以下のような症状につながります。
- 歯がしみる
- 着色汚れがつく
- 虫歯ができる
冷たい飲み物や食べ物で歯がしみるようになり、進行するとむし歯のような痛みを引き起こします。
酸蝕歯(さんしょくし)は色素が吸収されるため、着色汚れがつく原因の1つです。
エナメル質には虫歯を防ぐ働きがあり、虫歯になるリスクも高まります。
希釈の割合は商品によって異なりますが、5〜8倍に薄めるのが一般的です。
15mlのりんご酢を摂取しようとすると、全量で90〜135mlとなります。
りんご酢に混ぜる液体は水や炭酸水、お湯などです。
中でも炭酸水には、以下のような効果が期待できます。
- 食べ過ぎの防止
- 便秘の解消
- 疲労回復
食前に飲むと満腹感が感じられるため、食べ過ぎの防止になります。
炭酸水の摂取により腸内環境が改善され、便秘の解消にも効果的です。
炭酸水には血行を促進する働きがあり、疲労回復につながります。
炭酸水に含まれる重炭素という成分には疲労物質である乳酸を中和し、排出する作用があります。
好みにもよりますが、より多くの健康効果を得たい場合は炭酸水と混ぜて飲むのが最適です。
血糖値の上昇を抑えるためには食前または食事中に飲むのが効果的
血糖値の上昇を抑えるためには、食後よりも食前または食事中にりんご酢を飲むのが効果的です。
さらに糖質の吸収速度が遅れると満腹感が持続するため、食べ過ぎも防げます。
糖尿病の治療をしている人や血糖値が気になる人の中には、食事制限をしている人もいるでしょう。
食べ過ぎは肥満や高血糖の原因となるため、りんご酢の作用が役立ちます。
就寝中に高血糖が続くのを避けたい人は、夕食前に飲むのが効果的です。
血糖値と睡眠は密接に関係しており、高血糖は睡眠の質を低下させる恐れがあります。
夕食後の血糖値が急上昇するのを抑えられると、質の良い睡眠につながります。
市販のりんご酢を使った飲み物は含まれている糖質の量に気を配る
市販のりんご酢を使った飲み物には糖質が多く含まれている恐れがあるため、糖質の量に気を配る必要があります。
現在では、そのまま飲めるお酢飲料が多く販売されています。
自分で薄める必要がないため、気軽に飲めるのが利点です。
酸味を抑えるような工夫がされており、初心者も取り入れられます。
しかし、原材料の中で以下の表示は糖質を表しています。
- 果糖ぶどう糖液糖
- 砂糖
- 果糖
糖質が多く含まれる飲み物は、血糖値に悪影響を与えます。
市販の飲み物に含まれる糖質の量が気になる場合は自分で調味する、または糖質の量を控えた商品を選ぶようにしましょう。
今回紹介したポイントを意識しながら、りんご酢を摂取すると体に良い影響が期待できます。
りんご酢の継続的な摂取は血糖値の上昇を抑える効果が期待できる
りんご酢には体に良い影響を与える成分が含まれており、継続的な摂取により血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。
多くの種類があるお酢の中でも酸度が高く、酢酸を効率的に摂取できるのがりんご酢です。
りんご酢はまろやかな酸味が特徴で、水溶性食物繊維やカリウムも含まれています。
酢酸や水溶性食物繊維は、血糖値の上昇を抑える働きをします。
比較的安価であり、スーパーなど身近なお店で入手できるのも利点です。
血糖値を下げるためには、食前または食事中に飲むのが効果的です。
血糖値が気になる人や生活習慣病を予防したい人は、今回の記事を参考にりんご酢を取り入れてみてください。