低血糖とは、血液中のブドウ糖（グルコース）が少なくなりすぎる状態のことを言い、一般的には血糖値が70mg/dL未満になった場合のことを指します。
以下のような症状が出た場合、低血糖の可能性が考えられます。
低血糖の症状は人によって個人差があり、上記のような症状がすぐに出る人もいれば、なかなか症状がでない人もいます。上記の症状がある方や、低血糖が頻繁な方は症状はなくても検査等で低血糖と指摘されたり低血糖の不安がある方は、糖尿病の専門クリニックである当院に是非ご相談ください。
低血糖が起こる原因としては大きく分けて二つあります。
糖尿病の治療の目標は高すぎる血糖値を下げて改善させることですが、以下のような時に低血糖になりやすいので注意が必要です。
低血糖を起こしやすい主な糖尿病治療薬は、インスリンをはじめ、内服薬では、スルホニル尿素（SV）薬や速効型インスリン分泌促進薬などを使用すると症状が起こりやすいです。すべての糖尿病治療薬が低血糖を起こしやすいわけではありません。詳しくは糖尿病の内服薬治療ページをご参照ください。
糖尿病の治療以外で低血糖を引き起こすケースとして、以下のようなものが挙げられます。
反応性低血糖（機能性低血糖）：糖質の過剰摂取により膵臓からインスリンが過剰に分泌されたり、あるいは糖尿病の初期段階として血糖値の上昇とインスリンの分泌のタイミングがずれることにより生じる低血糖です。食後すぐに起こるものではなく、食事をしてから3～5時間後に低血糖症状が出現するのが一般的です。アルコールを摂取したときや肝硬変などで肝機能が低下している場合や女性で生理開始後（女性ホルモンの影響による）解熱剤、鎮痛剤、抗不整脈薬、抗菌薬などの薬を内服している場合（薬剤性低血糖）膵臓の腫瘍によるもの（インスリノーマなど）が挙げられます。当院では、OGTT（経口ブドウ糖負荷試験）による精密検査や、肩などにつける持続型血糖測定器などを用いた血糖値の推移を確認する検査を受けていただくことが可能です。気になる症状のある方は是非お気軽にご相談ください。
低血糖の症状の出方には個人差があり、人によっては低血糖の状態でもなかなか症状が出ない場合もあります（このような場合を無自覚性低血糖と呼びます）。このような人の場合、血糖値がかなり低くなった時に突然意識障害や昏睡状態に陥るため、特に注意が必要です。有事の際にはすぐに医療機関に連絡が取れるようにしましょう。
低血糖の自覚症状が出現した場合、すぐにブドウ糖 (錠剤やゼリー状になったものもあります) を10g、あるいは砂糖（ショ糖）20g程度を摂りましょう。または同等量の糖を含む清涼飲料水 (例：ジュースなど) を飲んだり、アメやチョコレートを食べたりして、血糖値を上げるようにしましょう。ただし人工甘味料は血糖値を上げる効果がありませんので、ご自宅などに準備する場合、事前に確認をするようにしてください。
糖尿病治療薬のうち、α-グルコシダーゼ阻害薬を服用しているとき
必ずブドウ糖を摂るようにしましょう（砂糖（ショ糖）は吸収されにくい状態となっているため、速やかな血糖値の改善が得られません）。
意識がもうろうとしているような時はご自身で低血糖の対処を行うことが難しくなるため、万一の場合に備えておくことが大切です。例えば外出時には糖尿病連携手帳を普段から携帯し、ご家族に低血糖のことやその対処方法について知っておいてもらいましょう。
自動車の運転をされる方は、運転前に血糖値を確認するようにしましょう。自動車運転中の低血糖発作は大事故につながる場合がありますので特に注意が必要です。
2020年から、低血糖に対して抵抗を上げるホルモンとしてグルカゴンの点鼻薬が使用できるようになりました（それ以前は注射薬しかありませんでした）。無自覚低血糖を頻繁に起こす方に特に有用です。使用に際しては、あらかじめ当院あるいは専門の医療機関で指導を受けていただくことを推奨します。また、お出かけなどの際は、必ずこの点鼻薬を持ち歩くようにしましょう。
電話でご予約
LINEでお問い合わせ
WEBでご予約（24時間受付可能）
■ 受付時間は18:00までの受付になります
■ 当院診察券をお持ちの方以外は、お電話でのご予約をお取りできません。
■ 初めて当院を受診される方は、診療時間内に受付していただくようお願いいたします。
