男性更年期障害とは、病気ではないのに中高年男性で「なんとなく不調」「突然のほてりや発汗」「イライラ」「意欲の低下」などが続いている症状を言います。女性特有と思われがちな更年期の症状は男性にもあり、”性ホルモン”の低下やバランスの乱れが原因とされています。
女性の更年期障害は、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少する閉経前後のおよそ
10年間に起こり、閉経後は徐々に慣れて症状は治まっていきます。
一方で男性の場合、男性ホルモン(テストステロン)は一般的に中年以降、加齢とともに穏やかに減少します。(図1)
減少の速さや度合い、時期は個人差が大きいです。そのため、男性更年期障害は、40歳代以降どの年代でも起こる可能性があります。同じ更年期ですが、図2に示すように男性と女性の更年期症状には違いがあり、男性ホルモンの減少によるものを加齢性腺機能低下症、またはLOH症候群と呼んでいます。
男性ホルモンは、男性らしい筋骨隆々の肉体や性機能だけに働くのではなく、認知機能や血管の健康にも関係しています。男性ホルモンの力を維持することが中高年男性の健康を守るカギとなります。男性ホルモンの減少は、ストレスや睡眠不足などの影響を受けるため、生活習慣の改善が症状回復につながります。
男性ホルモン(テストステロン)の減少で起こる代表的な症状にED(勃起障害)があります。60歳代の日本人の60%以上にみられ、珍しいことではありません。女性は閉経によって生殖機能の終わりを迎えますが、男性はその終わりがなく、80、90歳になっても勃起します。EDはかつては気の持ちようや糖尿病などの生活習慣病が悪化して起こるとされてきましたが、近年”血管病”としてもとらえられています。それは勃起のメカニズムが、血管の機能と深く関係があり、血管の健康が失われる(動脈硬化が進み、血流が悪くなる)とEDが起こりやすくなるためです。陰茎の動脈は非常に細いため初期の動脈硬化でも影響が現れやすく、EDは”最初に自覚できる生活習慣病”だと考えられます。性欲のあるなしに関わらず、EDは男性の健康の”見張り役”になります。
男性で男性ホルモン(テストステロン)値が低い場合、抑うつ状態、性機能・認知機能の低下だけでなく、糖尿病や肥満、メタボリックシンドローム、骨粗しょう症、心血管疾患(動脈硬化・血管内皮機能の低下)などに関係するとの研究結果や男性ホルモン(テストステロン)値の高い人のほうが長寿という報告もあります。また、男性ホルモンの減少は認知症やサルコペニア(筋肉減少症)とも関連します。
男性ホルモンは多くの病気のリスクから身を守ってくれる、健康長寿のための大事な相棒と言えます。
男性ホルモンは男性の健康維持に働いています。もし男性更年期障害やEDを自覚されたら、生活を見直し、改善するのはもちろん、定期的に健康診断や、前立腺腫瘍マーカー検査(PSA検査)を受けるなど、ご自身の健康によりいっそう気遣うようにしましょう。
体調が悪く、血液検査で男性ホルモンが低い場合には加齢性腺機能低下症と診断されます。職場などのストレスのチェックや睡眠、運動や食事の習慣の改善で症状は改善します。漢方薬やED治療薬、抗うつ薬などが処方されることもあります。著しく男性ホルモンの値が低く、症状が強いときには、テストステロン補充療法を行います。
保険治療としてはテストステロンの筋肉注射を2〜4週間おきに症状が改善するまで行います。
一般内科とは風邪、インフルエンザ、発熱、頭痛、めまい、胸痛、腹痛、下痢、悪心・嘔吐、胃腸炎、胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、咳、喘息、気管支炎、呼吸困難、発疹、関節痛、甲状腺・内分泌疾患、アレルギー疾患など一般的でよくある症状や疾患にまず対応する診療をいいます。これらのよくある症状や疾患の裏に重大な病気が潜んでいることがあり注意が必要です。また、不眠、ストレスや不安・うつなどの精神心理的な原因による体調不良などについてもプライマリーケアとして対応します。一般内科の領域を超えるような場合は心療内科などの専門診療科に紹介いたします。
他にもその症状でどの診療科にかかったらよいのか分からない方などお悩みの方もいるかと思います。必要に応じて速やかに専門の医療機関を紹介させていただきます。まずはお気軽に受診・ご相談ください。特にご相談の多い症状について以下に紹介します。
を考えます。とはいえ、多くの場合は感染症です。喉の痛みや鼻汁、咳などの上気道症状では風邪、扁桃腺炎、インフルエンザ、新型コロナ感染症などの感染症をまずは疑います。一方、上気道症状を伴わない発熱では、膀胱炎や腎盂炎、他にも髄膜炎、甲状腺炎など考えます。必要に応じて血液検査や尿検査など行います。
一方、非感染症の発熱は、膠原病や悪性腫瘍、他に薬剤熱、血栓症、ホルモン異常などがあります。その方の性別、年齢、持病、家族歴、発熱のパターン、発熱以外の症状の有無などをもとに診察、検査、治療を行なって行きます。
当院では、受診歴の有無に関わらず、発熱その他感染症を疑わせるような症状を呈する患者さんを受け入れております。
頭痛は男女、老若男女問わずから相談を受ける症状です。
主に3つ。
皆さまがご存知のよく見られる頭痛の一つです。片頭痛は脳の血管が急激に拡張し、その周囲にある三叉神経が刺激されると、炎症物質が発生して起こる頭痛です。典型的には頭の左右どちらか片側がズキンズキンと痛みます。吐き気や嘔吐を伴うことも多いです。また、頭痛の前には前兆としてキラキラした光、ギザギザの光(閃輝暗点)などの視覚性前兆が最も多くみられます。片頭痛は日常的なストレスから解放された週末や寝すぎた後などで起こりやすいと言われています。その他のリスク因子としては、ホルモンバランスの変化(月経前後)、疲労、飲酒過多、光・音による強い刺激などが挙げられます。片頭痛には特効薬や予防薬があります。これまで我慢してきた方は是非ご相談下さい。
頭全体、あるいは後頭部を締め付けられるような鈍痛を起こす頭痛で筋肉の緊張、心の緊張いずれもがきっかけになります。長時間のデスクワークに従事する方やトラック運転手の方、心的ストレスを感じやすい方に頻回に見られる印象です。
ある期間に集中して起こる(群発性)、目の奥に生じる強い頭痛。痛みの強さは相当なもので、“えぐられるような痛み”とも表現され、さらにその痛みが数十分から3時間程度続き、1日何度も起こり、1~2か月間にわたって頭痛に苦しむこともあります。詳しい原因は分かっていません。発症のタイミングとしては、夜中、明け方が多いようです。また、男性によく見られます。
倦怠感の原因は多岐に渡ります。一般的な風邪、インフルエンザ、新型コロナ感染症、消化器科疾患である胃腸炎や泌尿器科疾患である腎盂腎炎をはじめ、風邪以外の感染症でも倦怠感は生じます。
また、貧血や代謝ホルモンの中心的役割である甲状腺ホルモンの増加するバセドウ病や逆に低下する橋本病、女性ホルモン関連(月経困難症や更年期障害)、男性更年期障害で比較的多く見られます。また、比較的悪化している糖尿病でも見られることが多い印象です。
一方、多くはないものの忘れてはならないものには悪性腫瘍(ガン)があります。胃ガン、大腸ガン、肺ガンなど比較的罹患率の高いガンはもちろんとして、白血病や悪性リンパ腫などの血液のガンでも何とも言い難い倦怠感が比較的継続的に見られることがあります。
これまでに見られなかっただるさや倦怠感を感じる、あるいは継続する際は、一度ご相談下さい。
「目が回る」、「めまいがする」、「ふらふらする」と訴えて外来に来られる患者さんは結構いらっしゃいます。耳鼻科疾患だけに収まらない病気も多く、内科全般を踏まえて扱うべき重要な症状です。めまいと一口に言ってもその症状は様々です。ぐるぐる回転するようなめまい、フワフワするような浮動感、一時的なチラチラ(一過性動揺視)、足元のふらつき(不安定感)、目の前が真っ暗になる眼前暗黒感や立ちくらみ等々多種多様です。回転性のめまいは主に耳鼻科疾患で起こることが多く、非回転性のめまいは脳の病気で起こることが多いと言われていますが、めまい症状だけで特定すること難しいのが現実です。高血圧や糖尿病などの生活習慣病や、特定の病気はなく、疲れやストレス、睡眠不足など様々。めまいのきっかけ、頻度や持続時間、めまい以外の頭痛や吐き気、耳鳴り、しびれの有無など多くの情報をもとに診断や治療を考えます。
腹痛の原因は一時的なものから、重篤な病気の初期症状に至るまで多岐に渡ります。逆流性食道炎、胃炎、胃潰瘍、虫垂炎、胆石、急性膵炎、過敏性腸症候群などの消化器疾患。尿管結石、膀胱炎などの泌尿器疾患、子宮内膜症や卵巣腫瘍などの婦人科疾患。脊柱や筋肉の炎症や腫瘍などの整形外科疾患。また、現代に多いのは、ストレスや自律神経の乱れによる腹痛です。しかし、重篤なものが潜んでいることもありますので、なかなか症状が改善しなかったり、いつもと何か違う違和感を覚えたら、早めに受診するようにしてください。
痛みはいつからか(数週前・数か月前などしばらく前から?今日から?)
痛みの部位は(胃のあたり?臍周囲?下腹部?)
どの様な痛みなのか(鈍い?鋭い?)
その痛みの経験は(初めてなのか?これまでも時々あったのか?)
痛みの様子は(継続的なのか?断続的なのか?)
どの様にすると痛みは変化するのか(押すと痛い?動くと痛い?食事すると痛い?)
腹痛以外の症状が見られるか?
しびれは頭、脊椎、末梢神経、内科的疾患という4つの原因から起こることがほとんどですが、さまざまな疾患が背景にあることも考えられます。
脳出血や脳梗塞などの脳血管障害 基本的には急な片側の手足のしびれや動きにくさが特徴です。脳腫瘍では徐々にしびれが出たり、感覚が鈍くなることで発症します。
よく見られるものには年齢を重ねたことで首の骨が変形し、骨棘(こつきょく)という骨のとげができた状態の変形性頚椎症や頸椎や腰椎の椎間板(骨と骨の間でクッションの役割をしている)の組織が飛び出し、脊髄や神経根を圧迫するため、上肢や下肢のしびれ、痛み、脱力などが発生します。
比較的多くの方に見られるものに手根管症候群があります。手首の手のひら側にある骨と、靭帯に囲まれたトンネル状の管(手根管)には、手に向かっている正中神経が通っています。手首を頻繁に使うと、この手根管の部分で正中神経が圧迫されてしまい、手のしびれや痛み、運動障害が引き起こされます。手を振ったり、指を動かす運動をすることで一時的に改善するものの、起床時には症状が強くなり、ひどい時は眠っていても痛みやしびれで目が覚めることもあります。
糖尿病は小血管の動脈硬化を引き起こすため、神経に栄養を送っている栄養血管に血液が行かなくなり、神経障害が出てきます。これを糖尿病性神経障害といい、糖尿病の早期から見られると言われています。細い末梢神経が侵されることで指先や足先がジンジンするようなしびれを感じ、悪化すると痛みに変わります。そして、さらに進行すると痺れや痛みはむしろ減弱します。
現代病ですが、ビタミン欠乏も時々見受けられます。近年、極度の偏食をする人や、カップ麺ばかり食べている方、お酒しか飲まないような慢性アルコール過飲者などにビタミン欠乏による神経障害がみられることがあります。
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