

監修医:小倉慶雄
所属:金沢駅前内科・糖尿病クリニック
専門:内科・糖尿病内科・内分泌内科
資格:日本糖尿病学会 専門医、日本抗加齢医学会 専門医
日本内科学会 認定医
糖尿病・肥満症・脂質異常症など、生活習慣病を専門に診療。
「数値が改善することを患者様と一緒に喜べる外来」を理念に、
検査データと生活背景の両面から無理のない治療プランをご提案しています。

「いびきがうるさい」「日中、眠くて仕方がない」
ご家族に指摘されたり、ご自身で感じたりすることはありませんか?
それは単なる疲れや癖ではなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)という病気のサインかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠の質を著しく低下させるだけでなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、さらには心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気のリスクを大幅に高めることがわかっています。
当院では、ご自宅でできる簡単な検査から専門的なCPAP治療まで、睡眠時無呼吸症候群のトータルケアを行っています。日中のパフォーマンスを取り戻し、将来の健康を守るため、まずは一度ご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠中に呼吸が止まる、または呼吸が浅くなる状態を繰り返す病気です。
一般的には、10秒以上の無呼吸や低呼吸が睡眠中に繰り返し起こり、1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数を示すAHI(無呼吸低呼吸指数)などをもとに診断します。
日本呼吸器学会では、PSG検査でAHIが5以上であり、いびき・日中の眠気・起床時の頭痛などの症状を伴う場合にSASと診断すると説明されています。
SASは、睡眠時間が足りているかどうかだけでは判断できません。
十分に寝ているつもりでも、睡眠中に呼吸が妨げられていると、深い睡眠が得られず、日中の眠気や集中力低下につながることがあります。
参考文献:
https://jssr.jp/files/guideline/sas-guideline.pdf
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-008.html
ご自身やご家族に当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。
□ いびきがうるさい、または呼吸が止まっていると指摘されたことがある
□ 朝起きても熟睡感がなく、頭が重い、頭痛がする
□ 十分な時間寝ても、日中に強い眠気を感じる
□ 会議中、運転中、テレビ鑑賞中などに、つい居眠りをしてしまう
□ 集中力が続かない、仕事でミスが増えた
□ 夜中に何度もトイレに起きる
□ 寝汗をよくかく
□ 高血圧、糖尿病、脂質異常症と診断されている
□ 肥満気味である(特に首回りが太い)
□ 顎が小さい、または二重あごである
3つ以上当てはまる方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。 放置せず、専門の医療機関に相談しましょう。
https://patient.digikar-smart.jp/institutions/93544ea7-ee6f-478d-9ae3-8df88899fa5a/reserve
参考文献:
https://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=48
睡眠時無呼吸症候群では、寝ている間だけでなく、日中の生活にもさまざまな症状が現れることがあります。
日本呼吸器学会でも、SASの症状として、いびき、夜間頻尿、日中の眠気、起床時の頭痛などが挙げられています。
最も多いタイプです。
睡眠中に空気の通り道である気道が狭くなったり塞がったりすることで、呼吸が止まりやすくなります。
主な原因として、次のようなものがあります。
肥満はSASと深く関係しますが、顎が小さい方や鼻の通りが悪い方など、肥満でない方にも起こることがあります。
参考文献:
https://jssr.jp/general/sas/
脳から呼吸を行うための指令がうまく伝わらず、呼吸が止まるタイプです。
心不全や脳卒中などと関連することがあります。
参考文献:
https://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=48
どちらのタイプかによって治療方針が異なるため、症状だけで自己判断せず、検査によって状態を確認することが大切です。
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、日常生活の質が下がるだけでなく、全身の健康にも影響することがあります。
特に、以下のようなリスクが知られています。
| 高血圧 | 呼吸が止まるたびに交感神経が刺激され、血管が収縮するため血圧が上昇します。SAS患者の約50~60%が高血圧を合併していると言われています。 |
| 糖尿病 | 低酸素状態が続くと、血糖値を下げるインスリンの働きが悪くなり(インスリン抵抗性)、糖尿病の発症・悪化につながります。 |
| 心疾患 | 心臓は酸素不足を補うために過剰に働くため、心不全や不整脈、狭心症、心筋梗塞のリスクが健常者の約3~4倍に高まります。 |
| 脳卒中 | 血圧の急激な変動や血液の酸素不足が血管に負担をかけ、脳梗塞や脳出血のリスクが健常者の約2~3倍に高まります。 |
| 日中の事故 | 強い眠気は、交通事故や労働災害の重大な原因となります。SAS患者の交通事故率は、健常者の数倍にのぼると報告されています。 |
参考文献:
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-008.html
空気の通り道(上気道)が狭くなる原因は、一つだけではありません。
首回りに脂肪がつくことで、気道が物理的に圧迫されます。最も多い原因です。
顎が小さい、下顎が後退している、首が短いといった骨格的な特徴があると、気道が狭くなりやすいです。
特に小児において、扁桃腺が大きいことが原因となります。
年齢とともに、喉や舌の筋肉が衰えて気道に落ち込みやすくなります。
アルコールや一部の睡眠薬は、筋肉を弛緩させる作用があるため、気道を狭くし、症状を悪化させます。
睡眠時無呼吸症候群は、肥満や生活習慣病と深く関係しています。
睡眠の質が低下すると、日中の活動量が下がったり、食欲に関わるホルモンバランスが乱れたりすることで、体重増加につながることがあります。
また、肥満によって首まわりや気道周辺に脂肪がつくと、睡眠中に気道が狭くなりやすくなります。その結果、SASが悪化し、さらに睡眠の質が下がるという悪循環が起こることがあります。
高血圧や糖尿病をお持ちの方で、いびきや日中の眠気がある場合は、SASが関係している可能性も考えられます。
当院では内科・糖尿病内科の視点から、睡眠だけでなく、体重・血圧・血糖なども含めて総合的に確認します。
参考文献:
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-008.html
当院では、患者様の負担が少ない方法で、診断から治療までをスムーズに進めます。
| ステップ | 治療内容 |
|---|---|
| Step 1:診察・問診 | まずは、いびきや眠気などの自覚症状、生活習慣、合併症の有無などを詳しくお伺いします。診察で喉や顎の状態も確認します。 |
| Step 2:ご自宅での簡易検査 | 睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、ご自宅でできる簡易検査を行います。手のひらサイズの装置をお貸ししますので、指や鼻にセンサーをつけて、いつも通りお休みいただくだけです。入院の必要はありません。 |
| Step 3:診断・治療方針の決定 | 検査結果を解析し、無呼吸・低呼吸の回数(AHI)から重症度を診断します。結果に基づき、患者様一人ひとりに最適な治療法(CPAP療法、生活習慣改善など)を決定します。 |
| Step 4:治療開始 | CPAP療法が必要な場合は、装置の使用方法を丁寧にご説明し、その日から治療を開始します。当院では、管理栄養士による食事指導など、生活習慣の改善も並行してサポートします。 |
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、まずは問診で症状や生活習慣を確認し、必要に応じて検査を行います。
簡易検査では、ご自宅で検査機器を装着し、睡眠中の状態を確認します。
主に以下の項目を測定します。
自宅で検査できるため、普段に近い環境で睡眠中の状態を確認しやすいことが特徴です。
参考文献:
https://jssr.jp/general/sas/
簡易検査の結果や症状によっては、より詳しく調べるためにPSG検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)を行う場合があります。
PSG検査では、以下のような項目を詳しく評価します。
日本呼吸器学会でも、SASが疑われる場合には、携帯型装置による簡易検査やPSG検査で睡眠中の呼吸状態を評価すると説明されています。
参考文献:
https://jssr.jp/general/sas/
睡眠時無呼吸症候群の重症度は、AHI(無呼吸低呼吸指数)をもとに分類されます。
AHIとは、睡眠1時間あたりに無呼吸・低呼吸が何回起きているかを示す指標です。
| AHI | 重症度 |
| 5〜15 | 軽症 |
| 15〜30 | 中等症 |
| 30以上 | 重症 |
日本呼吸器学会では、AHI5〜15を軽症、15〜30を中等症、30以上を重症としています。
ただし、治療方針は数値だけで決まるものではありません。
日中の眠気、いびき、起床時の頭痛、高血圧・糖尿病などの合併症、生活への影響を総合的に確認したうえで判断します。
参考文献:
https://jssr.jp/files/guideline/sas-guideline.pdf
主な治療方法は以下の通りです。
CPAP療法は、睡眠時無呼吸症候群でよく行われる治療方法です。
鼻にマスクを装着し、空気を送り込むことで、睡眠中に気道が塞がるのを防ぎます。
日本呼吸器学会では、AHIが20以上で日中の眠気などを認めるSASに対して、CPAPが標準的治療とされています。
参考文献:
https://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=48
CPAP療法により、次のような改善が期待されます。
CPAPは、最初はマスクの装着に違和感を覚えることがあります。
当院では、機器の使い方やマスクの装着方法を丁寧に説明し、継続しやすいようにサポートします。
軽症から中等症の場合、口腔内装置、いわゆるマウスピースを使用することがあります。
下顎を前方へ出すことで気道を確保し、睡眠中の呼吸をしやすくする治療です。
適応があるかどうかは、症状や検査結果をもとに判断します。
参考文献:
https://jssr.jp/general/sas/
SASの改善には、治療機器だけでなく生活習慣の見直しも重要です。
特に肥満がある方では、減量によって無呼吸の程度が軽くなることがあります。
参考文献:
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-008.html
CPAP治療を行う場合、一般的には月1回程度の通院が必要です。
通院では、CPAPの使用状況、症状の変化、マスクのフィット感、睡眠の状態などを確認します。
保険適用については、AHIの数値や症状など、一定の条件を満たす場合に対象となります。
実際の適用可否は検査結果や診察内容によって異なるため、診察時に医師が確認します。
保険診療で行う場合の費用目安は以下の通りです。
| 内容 | 費用目安 |
| 初診 | 3,000〜5,000円程度 |
| CPAP治療 | 月5,000円前後 |
※3割負担の場合の目安です。
※検査内容、診療内容、保険適用の有無によって費用は変わる場合があります。
※詳しい費用は受診時にご確認ください。
睡眠時無呼吸症候群は、自分では気づきにくい病気です。
特に、睡眠中のいびきや呼吸停止は、ご家族からの指摘で初めて気づくことも少なくありません。
「いびきくらいで受診していいのかな」
「検査が大変そうで不安」
「CPAPを続けられるか心配」
このような不安がある方も、まずはお気軽にご相談ください。
症状や生活習慣を確認し、必要に応じて検査・治療をご提案します。
いびきや日中の眠気でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
https://patient.digikar-smart.jp/institutions/93544ea7-ee6f-478d-9ae3-8df88899fa5a/reserve
本記事は、睡眠時無呼吸症候群に関する一般的な医療情報の提供を目的としています。
症状や治療方針は患者さまごとに異なります。自己判断で診断・治療・治療中止を行わず、気になる症状がある場合は医療機関にご相談ください。
Aはい。いびきは睡眠時無呼吸症候群の重要なサインのひとつです。
特に、家族から「呼吸が止まっている」と言われたことがある方、日中の眠気や起床時の頭痛がある方は、一度検査を受けることをおすすめします。
A必ずしも一生必要とは限りません。
体重減少や生活習慣の改善、症状の変化によって、治療方針を見直せる場合があります。自己判断で中止せず、医師と相談しながら継続や変更を判断します。
A使い始めは、マスクの装着感や空気の圧に違和感を覚えることがあります。
ただし、慣れてくると継続できる方も多く、マスクの種類や装着方法を調整することで使いやすくなる場合があります。
A多くの場合、まずは自宅で行える簡易検査から始めます。
検査結果や症状によって、より詳しいPSG検査が必要になる場合があります。
Aはい。肥満はSASの大きな要因のひとつですが、顎が小さい方、鼻づまりがある方、舌や喉の構造によって気道が狭くなりやすい方など、肥満でない方にも起こることがあります。
Aはい。SASは高血圧や糖尿病などの生活習慣病と関係することがあります。
当院では内科・糖尿病内科の視点から、睡眠の問題だけでなく、血圧・血糖・体重なども含めて総合的に確認します。
Aはい。日中の強い眠気は、睡眠不足だけでなく、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害が関係している場合があります。眠気が続く場合や、仕事・運転・日常生活に支障がある場合はご相談ください。
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